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東京中高 中1 「家庭」特別授業

赤ちゃんとふれあい 生命の大切さを実感

「オッパ、はーい!」とご機嫌な赤ちゃんも

 中級部1年の「家庭」の特別授業として9月29日、東京都北区の東京朝鮮中高級学校で、生徒と赤ちゃん、その母親たちとのふれあいの場が設けられた。特別授業は昨年に続き2度目。雨の降る肌寒い中、都内を中心に9組の母親と赤ちゃん、13人のサポーター(学父母)と女性同盟職員らが参加した。

 今年の春に再版(初版は1994年)された中1「家庭」の教科書には、「幼児保育」という項目がある。そこでは幼児の体と心の発達、幼児期の生活の特徴、遊び、衣服、食事、保育環境などを学ぶ。

 特別授業は少子化社会に暮らす生徒たちが、赤ちゃんとその母親と直接ふれあうことで、赤ちゃん(小さな生命)を大切に思う気持ちを育てるとともに、自分自身を大切な存在として認識することをねらいとしている。

手作りのおもちゃで赤ちゃんの気を引く

 特別授業は、学校と学父母、女性同盟東京都本部の緊密な連携の下行われた。゙良叔教員(中1「家庭」担当)の話によると、女性同盟と学父母の協力があって、今年は昨年にくらべ多くの赤ちゃんと母親、サポーターが参加した。

 生徒たちは赤ちゃんと直接触れ合う前に、各家庭で母子手帳を見ながら、自分が生まれ育ってきた過程について話を聞いてきた。また、事前に妊婦体験ジャケット(7キロ)を着用し、沐浴人形(3キロ)を抱く練習などを通して、妊娠中の体の不自由さや赤ん坊への接し方などを練習した。

 特別授業ではグループ別に赤ちゃんと母親を囲んで生徒たちが母親に質問した。「妊娠中はどんな苦労がありましたか?」「生まれた赤ちゃんを見た最初の印象は?」「赤ちゃんを見ていて一番気をつかうことは?」…。生徒たちの質問に母親たちは一つひとつていねいに答えていた。その間赤ちゃんたちは、お兄さん、お姉さんたちが作ってくれた「ガラガラ」を振って、音を鳴らしながら遊んでいた。

妊婦体験ジャケットを着て寝返り。「う〜ん、重い」

 「じゃあ、赤ちゃんを抱いてみる?」

 母親の一言に生徒たちの顔には期待と緊張が浮かんだ。母親は、隣に座った生徒に赤ちゃんを抱かせようとするのだが、赤ちゃんは人見知りをしているのか抱かれたがらない。しまいにあちこちで赤ちゃんが泣きだす始末…。その激しい泣き声に、一瞬にして男子生徒たちの表情が固まる。次の瞬間、ある女子生徒がお菓子を取り出し、赤ちゃんの口に近づけると泣き声はぴたりと止んだ。それを見て安心したのか、別の男子生徒がジュースにストローをさしてそおっと赤ちゃんの口に当てる。男子生徒の顔には、(お願いだから泣くなよ…)といった哀願にも似た表情が浮かんでいる。母親の胸に抱かれたまま身を乗り出してストローをくわえる赤ちゃん。ジュースを飲み始めると、男子生徒はホッと息をつき、周りでは「オォーッ」と歓声が上がった。

 「おいしい? おいしいの」と、母親は赤ちゃんの顔をのぞき込む。その姿を先生、サポーターが見守っている。

 ゙教員と女性同盟職員らは、来年の特別授業に向けて、「父親たちの参加も促したい」と話していた。(金潤順記者)

「両親に感謝、孝行したい」 生徒たちの感想文

[朝鮮新報 2007.10.12]