〈夏休みに教員たちの講習〉 情報教育 |
真夏の暑さにも負けず、朝鮮大学校では夏休み期間中8月20〜22日に、朝鮮学校・情報教育担当教員たちの講習会が開かれた。 アニメーション教材作成 日本科学未来館を見学
情報教育担当教員たちの講習会は、情報化が進む環境の中で、民族教育現場の「情報化」と情報教育担当教員たちの資質向上促進を目的に、2000年から毎年夏休みに行われてきた。8回目となる今年の講習には、日本各地から約20人の教員たちが参加し、情報技術と情報教育の向上に力を傾けた。 講習の内容は、初日に基本講演「2007年インターネットを中心にした情報社会の現状況」と実技講習「FLASH(フラッシュ)によるアニメーション教材作成」。2日目に、「LAMP環境によるGeeklog(ギークログ)の導入」「SAMBA(サンバ)によるファイルサーバーの運営」、「modle(ムードル)によるe−Learning(イーラーニング)の構築」について実技講習が行われ、3日目は日本科学未来館を見学した。 基本講演で朝大短期学部・河民一助教授は、世界的範囲においてのブロードバンドの普及状況とインターネット利用率の上昇を細かに分析し、最近ではWeb2.0の普及によりインターネットが人々にとって「より使いやすく」なっている現状を紹介した。 参加者の柳成基教員(京都中高)は、「人の利得とインターネットの利用率に相関関係があるというのが驚きだった。Web2.0のブラウザをベースにした情報管理に移る準備を、民族教育の現場でも本格的に始める必要性を強く感じた」と話した。
続いて行われた「FLASHによるアニメーション教材作成」では、今まで多くの科目でコンピュータとインターネットを利用した教材作成とその活用が研究されている中、FLASHによる教材が生徒たちの興味を引くためにも良く、Web上で簡単に活用できるということで、非常に效果的であることが紹介された。 講師の李永成教員 (神戸朝高)は、「FLASHでは図形、写真、音声、動画などすべてのマルチメディア資料を統合してアニメーション化できるので、教員たちがその使い方を習得すれば、とても效果的な教材を作ることができる。教育の情報化促進のためにも皆が関心を持って学んでほしい」と強調した。 2日目には、3つの実習が朝9時から夜9時過ぎまで集中的に行われた。 朝大・教務課の朴明教員が講師として出演した第1実習では、民族教育において教員および生徒間の電子情報資料の交換を活性化するための資料管理システム(CMS)を構築し、その設定と活用法を学び、2番目の実習では、河助教授が、ファイル共有システムとしてのSAMBAサーバーの導入と機密性を考慮した運営法を学んだ。 この2つの内容はフリーなOS(オペレーティングシステム)であるLinux(リナックス)上で動作するアプリケーションソフトの活用で、講習参加者たちはLinuxの初期設定と運営という高度な内容に挑戦した。講義をした2人の教員たちは、「インターネットの世界がWeb2.0に進化するうえで、そこで行き交う情報の価値はより高くなっている。今回の講習では導入部分だけが扱われたが、教育的效果も大きいことだろう。現場でも積極的に研究していくことが望まれる。また、Linuxはある程度性能が低いコンピュータでも充分作動するので、古いコンピューターを再利用するうえでも魅力がある」と述べた。 最後に、李彦司教員(神奈川中高)の講義のもとでインターネットを利用した学習補助システムであるmodleの構築法について学んだ。modleは生徒たちが、いつ、どこででもインターネット上で教員が作った教材を使って自習することができ、小テストも行えるということで、参加者たちの注目を集めた。参加者の裴賢秀教員(北陸初中)は、「このシステムを效果的に使えば、生徒たちに、より豊富な知識を与えることができるだろう」と感想を述べた。 最終日には東京・お台場にある日本科学未来館を見学した。未来館では、インターネットによる情報通信を2進数の数字0、1の代わりに白と黒のボールを使って表したインターネット物理モデルコーナーやコンピュータのしくみを簡単に理解できる視聴覚コーナーを含め、最新情報通信技術のさまざまな展示物を見た。 閉講式では、今後とも担当教員たちが情報教育と教育の情報化促進において先駆者的な役目を果たしていくとともに、急変する情報化社会に敏感に対処して相互連係を深めていくことが強調された。(李永成、神戸朝高教員) [朝鮮新報 2007.9.7] |