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泉州初級「大きな家族」で60周年迎える

南大阪初等教育の拠点 「みんな仲がいいの」

記念行事は400人の参加者でにぎわった

 泉州朝鮮初級学校の創立60周年記念行事が4月15日、同校運動場で行われた。同時に南大阪ウリハッキョ連合同窓会も開催された。運動場には400人もの同胞、学父母、生徒のほか、泉大津市の神谷昇市長や市議会議員などたくさんの日本の友人らが詰め掛け、大いににぎわった。大人ばかりでなく、同校を卒業したばかりの中高生らも手を取り合い再会にわくほほえましい姿もあった。泉州初級学校は今も昔も地域初等教育の拠点である。

 解放直後、「国語講習所」としてその歴史を立ち上げた同校は当局による学校閉鎖令(1949年)、大衆運動の中で学校を死守した3人の青年の犠牲(1952年)、放火、生徒たちに対するいやがらせなどのあらゆる苦難の中でも、子弟たちを朝鮮人として育てることを望んだ1世の意思を継ぎ、2、3世の団結した力で守られ発展してきた。今日「民族性、学力、体力、対応力」の充実を掲げる同校は優秀な人材を輩出し、在校生全員が「最優等」でこの日を迎えている。

学校を拠点に広がる地域のコミュニティ。家族の絆が地域を守り発展させていく

 記念事業実行委の゙英浩委員長は記念報告で60年をふり返りつつ、学校の補修や同窓会の準備など多岐に渡り活動を行ったと報告し、「在校生を1.5倍に増やし民族性あふれる力強い地域同胞社会を作っていこう」と呼びかけた。会場からはこれに応えるかのように、万雷の拍手が上がった。

 「学校を守るということは地域を守ること」とオモニ会の金貞淑代表は話す。そして子どもたちのためにも地域社会を盛り上げていきたいと述べた。

 報告に続いて舞台には園児、生徒らが登場、民族の歌と踊りを披露し、元気いっぱいの姿を参加者に見せてくれた。

 アボジ会の李東雨代表は公演を見ながら「子どもたちの立派な姿に親としてこれ以上の喜びはない」と目を細め、彼らが新しい国際社会の一翼を担っていく人材としてはばたいてほしいと話した。

会場は60周年を迎えた喜びと誇りで満ちていた

 地域のアボジ、オモニたちは今、子どもたちをウリハッキョに送ったことに大きな喜びを見出している。

 在校生から父母、地域の同胞はまるでひとつの「家族」のようだ。彼らは口をそろえて「みんな仲がいい」と笑う。記念行事が終わると、父母らと教員による「即席懇談会」が始まった。その傍らでは、どこかのアボジがどこかの子どもと一緒になって遊んでいた。そこにはなんの違和感もない、ほのぼのとした空気だけが流れていた。

 許大吉校長は「子どもたちをよりよく育てようとする学校と家庭の相互連携によって、学校と地域をより活性化していきたい」と話している。

 席を共にしていた朝青員たちも「きっとこれが自然体。学校はみんなが集まって顔を合わせる場所でもある。いつまでもあり続けることが大事」と語った。(鄭尚丘記者)

[朝鮮新報 2007.5.11]