希望を胸に、朝大新入生の大学生活スタート |
「同胞社会への貢献こそ、恩返し」 朝鮮大学校の入学式が今年も10日に行われた。期待と不安、喜びと希望を胸に新入生の大学生活はスタートする。彼らを、家族と同胞社会はいつでも温かく見守っている。 家族の期待
政治経済学部に入学した朱星一さん(九州朝高卒)。名前には「一番輝く星になれ」という想いが込められている。そんな自慢の星一さんをカメラ片手に追いかけるのはハルモニの李末子さん(73)。孫の成長を写真とともに見届けてきたのが、ハルモニのもうひとつの自慢だ。免許を取ったばかりの孫にドライブに連れて行ってもらったことをうれしそうに話すハルモニの願いは、「健康に気をつけて立派な思想を持った人間になってほしい」。 同じ九州朝高卒の鄭慶祐さん(外国語学部)は「4年の間にたくさんの友だちを作り、自分の進路についても考えていきたい。寄宿舎生活は初めてで、慣れないことも多いと思うが、九州朝高出身の仲間たちとともに、友だちや先輩たちと楽しくやっていきたい」と話す。
母親の崔貴蓮さん(48)は「特別大きな期待をかけているわけではないが」と前置きしながら、「大学で、自分がこれから生きていくうえで何が基本になるのかを学んでもらえたらと思う。友だちを大切にし、両親、兄弟、そして同胞たちと共に暮らす在日同胞社会の一員として、少しでも役に立てるよういろんなことを学んでほしい」と語った。 「(息子である長男を)うちでは初めて朝大に送る」というのは崔順姫さん(54)。「民族教育の最高学府とよばれる朝鮮大学校で4年間しっかり学び、いろんな経験を通じて、自分の能力を高めてほしい。全寮制なので、洗濯や食事が心配といえば心配。好き嫌いが多いもので…。それもこの間に克服できたらいいかな?」と淡い期待を寄せている。 当人の姜誠さん(経営学部、神奈川中高卒)は「中高時代からの仲のいい友だちと一緒に入学を決めた。創立50周年を迎えて教育環境も良くなったと聞いたので、ここで学ぼうかと…。将来的には会社経営に関わる仕事がしたいと考えている。4年間、友だちもたくさん作りたい」と元気に話した。 新入生の決意
金蓮喜さん(東京朝高卒)は、母親と同じ音楽科に進学する。彼女の夢は「同胞たちが集まる場所を、音楽を通して作ること」。充実した大学生活を送るのだと意気込む。 小中高と徳島の日本学校を卒業した姜秀一さん。朝大卒業生の母親の勧めにそって短期学部への入学を決意。「みんな朝鮮語でびっくりした」ととまどいながらも、「いい友だちと出会えそう」と新生活への期待に胸をふくらませている。 大阪朝高出身の金在鴻さんは体育学部のボクシング特待生だ。日本の大学からの推薦を断っての入学だけに、反対も多かったと言う。それでも「後悔はしていない。レギュラーを勝ち取り、まずは2部昇格を目指す」と意気揚々と話す。加えて好奇心旺盛、多趣味な彼は「親友をたくさん作り、勉学はもちろん演劇や俳優の勉強もしたい」と貪欲に大学生活を送ることを決意する。 簿記専門学校を卒業した金成福さんは茨城朝高時代の同級生とは2年遅れで経営学部に入学する。「同胞企業へのこだわり」が、朝大への強い意欲につながった。朝大でしっかりした人生観を築き、仲間同士の広いネットワークを形成し、税理士となって同胞社会に貢献することが彼の夢だ。今後、税理士科目を年にひとつずつ獲得していくという。彼は「同胞社会への貢献こそが、両親への恩返しになる」と、信じている。 [朝鮮新報 2007.4.13] |