日朝教育関係者 全国交流集会、シンポジウム 民族教育権擁護へさらに連帯を |
共同運動の強化へアピール採択 「日朝友好親善を深めるための第30回全国『東京』交流集会(以下交流集会)」(主催=第30回記念全国集会実行委員会、後援=日本教職員組合)と「第8回日本・朝鮮教育シンポジウム(以下シンポジウム)」(共催=日本教職員組合、日本朝鮮学術教育交流協会、在日本朝鮮人教職員同盟)が2月24日、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)多目的ホールで行われた。交流集会では主催者あいさつに続き、日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会の大石忠雄事務局長が基調報告を行い、当面の課題を提起。日朝関係を正しく理解する教育実践をさらに発展させ、在日朝鮮人の民族教育権擁護運動や日朝友好連帯運動などをいっそう強化していくことなどを強調した。また、共催団体の各代表があいさつ。「日朝教育交流の現状と課題」をテーマにパネルディスカッションが行われた。最後に「民族教育権差別の完全解消と日朝国交正常化の早期実現を求める決議」と題するアピールが採択された(要旨別項)。 全国的な支援活動を
交流集会には、日本教職員チュチェ思想研究会全国連絡協議会の清野和彦会長、横堀正一副会長、大石忠雄事務局長、菅谷貢事務局次長、福岡県教職員組合の中村元気委員長、鳥取県教職員組合の前田厚彦委員長、岩手県教職員組合の佐藤淳一書記長、千葉県高等学校教職員組合の佐久間美弥子中央執行委員長、日本朝鮮学術教育交流協会の中小路清雄会長、西澤清副会長をはじめ日本各地で日朝友好親善活動を繰り広げている教育関係者らが参加した。 また、教職同中央常任委員会の具大石委員長、教職同神奈川、茨城、広島、福岡県委員長と大阪と関東地方の朝鮮学校教職員らが参加した。 主催者を代表しあいさつした清野会長は、2月の6者会談で合意がなされ参加国が「行動対行動」の第一歩を踏み出したことについて触れ、そのような中で日本政府が在日朝鮮人と朝鮮学校に弾圧を加えていることについて批判の声を高め中止を求めるたたかいを強化していかなければならないと述べた。 具委員長は、昨年の中等教育実施60周年に際し、集会参加者らが連帯を示し、さらに今日まで民族教育の権利獲得に尽力してくれたことについて謝意を表した。そして、朝・日の明るい未来に対する確信をもって奮闘していこうと述べた。 基調報告を行った大石事務局長は、民族教育の60年の歴史に敬意と祝意を表した。 そして、現在日本各地には20余団体の「朝鮮学校を支える会」があり、地方自治体に朝鮮学校への教育助成金を増額し日本人学校と同等の権利を与えるよう支援活動を行っていることに触れ、今後この運動を全国的に広める必要があると強調した。 また、朝鮮の歴史と現状認識を正しくするよう努め、日朝親善の授業を実践し、民族教育権をはじめとする在日朝鮮人の諸権利の確立へ向けた支援を呼びかけた。 また、日朝国交正常化の早期実現に向けて努力することなども訴えた。 各地の経験語り合う
交流集会に続くシンポジウムには、交流集会参加者らと日教組の福岡憲夫組織局長をはじめとする教育関係者らが参加した。 あいさつした福岡組織局長は「日教組は嫌がらせから在日朝鮮人生徒を朝鮮学校の教員とともに守っていきたい」と強調。中小路会長は、「民族教育差別を解決するために多様な日朝交流を積極的に行い連帯の輪を広げることが重要だ」と述べながら、日本政府に対し、在日朝鮮人への弾圧を中止し、平壌宣言に従って懸案問題を解決するよう訴えた。 パネルディスカションではまず、西東京朝鮮第2初中級学校の李政愛校長が発言し、「民族の心」を学ぶ権利が人権として尊重されるべきであり、日本当局は在日朝鮮人社会形成の歴史的経緯からも道義上、民族教育を尊重すべきだと述べた。 続いて神奈川県高等学校教職員組合の中野和巳さんが、昨年4月に設立した「神奈川朝鮮学校を支える会」の設立経緯と具体的な活動内容について報告した。また、神奈川朝鮮中高級学校生徒が玉川大学(東京都町田市)の入学試験に出願した際、「受験資格がない」という理由で拒否された問題と関連、同大学に対する抗議と署名活動を行い学長に直接要請活動を行っていきたいと語った。 福岡県教組の本村隆幸組織部長も「福岡県朝鮮学校を支える会」の設立経緯と活動について報告。九州朝鮮中高級学校に教材や教具を贈るためのカンパや図書を贈る取り組み、教職同福岡との日常的な交流などについて紹介した。 広島県教組国際連帯部会の児玉戒三さんは、南朝鮮・大邱の教職員と共同で「朝鮮通信使」に関する副教材を作成した経験について、東京朝鮮人強制連行真相調査団の李一満事務局長は、教育現場での歴史教育の重要性を強調した。 シンポジウムでは東京中高生徒が歌や踊りを披露した。(呉陽希記者) [朝鮮新報 2007.3.2] |