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2006年度在日朝鮮学生中央口演大会 朗読、スピーチ、演劇、才談など

朝鮮語と英語でスピーチなどを競う

 朝鮮学校の児童、生徒たちが11、12の両日にわたり、東日本(神奈川朝鮮中高級学校、横浜朝鮮初級学校)、西日本(池田市民文化会館)の2カ所で行われた。

 東日本大会には、東京、神奈川、茨城、東北、北海道朝高学区の24校353人、西日本大会には、大阪、神戸、京都、愛知、広島、九州朝高学区の33校270人が参加した。

 大会では、初(高学年)、中、高級部別に教科書の朗読、詩の朗読(中高級部)、おはなし(初級部)、スピーチ(中高級部)、才談、芸術宣伝、演劇などの朝鮮語各部門と英語のスピーチ、暗唱部門の審査が行われた。

 各部門別審査終了後、東西各大会別に「優秀作品発表会」が開かれた。

東日本大会参加者たちの感想

初級部・芸術宣伝「ウリマルを学ぶ喜び限りない」(西播初中)

 11日、神奈川朝鮮中高級学校で行われた東日本大会の「優秀作品発表会」では、初級部・おはなし「わたしのハラボジ」(高里弥、東京朝鮮第3初級学校)、高級部・詩の朗読「白頭山」(任浩源、神奈川朝鮮中高級学校)、中級部・英語のスピーチ「My Dream」(朴寿姫、埼玉朝鮮初中級学校)、中級部・才談「一夜漬け」(李真一、張志昶、神奈川朝鮮中高級学校)、中級部・詩の朗読「夜が明ける」(具春実、福島朝鮮初中級学校)、高級部・朝鮮語のスピーチ「心の柱をしっかり持とう」(金銀珠、神奈川朝鮮中高級学校)、初級部・芸術宣伝「過去から未来へ」(南武朝鮮初級学校)の7作品が舞台に上がった。

初級部・芸術宣伝「過去から未来へ」(南武初級)

 高里弥さん(初4)のハラボジは15年間朝鮮学校の校長を勤めた。家でも常にウリマルを使い、孫たちに「朝鮮語の勉強をしっかりしなさい」と語りかける。そんなハラボジへの想いを表現した里弥さんは、「とてもうれしい。今日、帰ったら、まず最初にハラボジに報告したい」と笑顔で話した。

 母校で久しぶりに開かれた口演大会の高級部・詩の朗読部門で優秀作品に選ばれた任浩源さん(高3)は、「高校生活最後の大会で成果を納めることができて本当にうれしい。卒業後は朝大文学歴史学部に進み、話術をさらに磨いて、将来的には声優として活動したい」と夢を語った。

高級部・才談「選択」(朴千愛、全淑美、神戸朝高)

 中級部・詩の朗読の具春実さん(中3)は、「作品の舞台は白頭山。先生の話を聞きながら、まだ一度も行ったことのない祖国の風景を思い浮かべた。うっそうと生い茂った原生林、荒れ狂う吹雪…。中1、中2のときには銀賞だったけど、今回はじめて優秀作品に選ばれて本当に良かった」と話した。

 ハラボジ、ハルモニたちの苦労を忘れず、未来に向って力強く歩んでいこうという内容の芸術宣伝作品を5、6年生4人ずつ8人で表現した李正樹さん(初6、南武初級)は、「ぼくたちは日本で暮らしているけれど、朝鮮の児童らしく、堂々と胸を張って生きているということを、たくさんの同胞たちに知らせたかった。みんなで力を合わせて一生懸命練習してきた成果が高く評価されてとてもうれしい」と話した。

 李汕玉審査委員長(朝鮮大学校文学歴史学部講師)によると、「今大会は、部門ごとの表現課題、審査基準が各学校に浸透し、技量を高める上での中央と地方の連携がうまく保たれた結果、多くの前進がみられた」という。とくに、演劇部門への出演が増えたこと、地域、学校ごとの格差がなくなったことは大きな成果たと指摘した。

 しかし、正確な発音を熟練することは、今後の課題として残っている。「そのためには、発音の基礎を正確に学び、日常的に練習することが望まれる」(李審査委員長)。

[朝鮮新報 2007.2.15]