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第19回総連各級学校教員 教育研究大会、各地 2年間の成果を集大成

障害児、準正規教育を新たなテーマに

 第19回総連各級学校教員の教育研究大会が1月27〜28日、東京都北区の東京朝鮮中高級学校で行われ、日本各地の幼稚班、初、中、高級学校教員と関係者ら780余人が参加した。総連第21回全体大会を5月に控えて開かれた今大会では、愛族愛国運動の2本柱である教育文化活動と同胞生活奉仕活動をさらに積極的に推し進めていこうと、新たに「障害児教育研究会」が設けられた。さらに民族性教養分科には、日本の学校に通う同胞児童、生徒などを対象にした準正規教育に関するテーマも加えられた。大会では、20の分科会が開かれ、多彩な研究成果レポートや論文180編が発表され、活発な意見交換が行われた。大会は、教員たちが日ごろから実践を通じて積み重ねている教育研究の成果を集大成し、広く一般化するのが目的。全国的な大会は、1997年以降2年に一回開かれている。(文=金潤順、呉陽希記者、写真=盧琴順記者)

780余人が参加

発表に熱心に耳を傾ける教員たち

 今大会では、「初級部国語教育分科」「中高級部英語教育分科」「共通民族性教養分科」をはじめとする20の分科会が開かれ、昨年の地方別教研大会に提出、発表された論文、レポートの中から厳選されたものが発表された。

 また、経験討論、資料紹介、模擬授業や特別講義など、現場での活動の質をさらに向上させるための内容が盛り込まれた。

 参加者らは、発表に対する積極的な質疑応答や意見交換をするなど、終始意欲的な姿勢で臨み会場は熱気であふれた。

 今回新設された「障害児教育研究会」(1月26日)には、総連中央・高徳羽副議長兼同胞生活局長、関東地方の各級学校校長、日本各地の教員ら60余人が参加した。
研究会では、金龍権・横浜初級校長を代表とする推進委員会が発足。来年度から日本の学校で実施されようとしている特別支援教育への転換を見越し、朝鮮学校でも研究を深めていく方針だ。

中高級部英語分科

 また、教研分科のひとつである民族性教養分科では新たに、準正規教育に関する活動報告の場が設けられた。同胞社会の未来を担う子どもたちの育成は、学校の統廃合、生徒数の減少などのさまざまな壁に直面しており、その幅を広げることが求められている。

 参加者たちは、日本の学校に通う同胞児童、生徒などを対象にした「土曜児童教室」をはじめとする準正規教育を実施している学校の経験発表と意見交換に熱心に耳を傾けた。

 2日目の閉会式では、各種表彰が行われ、「愛族愛国学校」(1校)、「部分別模範学校」(21校)、「模範教員集団」(75集団)、「模範教授者」(38人)称号が総連中央常任委員会の決定により、各学校、集団、個人に授与された。また、今大会で優秀な論文を発表した教員に論文賞(20編)が授与された。

今後の活動に意欲

日本各地から780余人の教員が参加した

 今大会は、日本各地の朝鮮学校で活動する教員たちが、時代の流れや要求に沿って子どもたちの民族意識と民族情緒、科学技術や歴史認識を育み、豊かな人間性と健全な身体を育てる教育活動をさらに向上させ、自身の資質や意欲をさらに高めるうえで新鮮な刺激を得る重要な場となった。

 初級部算数分科に参加した金和恵教員(城北初級)は、「(算数分科に)13回大会(90年)以降ずっと参加しているが、今回が一番充実していた。算数教育の目的でもある、知識、技能、思考力発達に焦点を合わせた発表があり、実践で使えると思った。研究の方向が明確になったのがとてもよかった」と感想を述べた。

 中高日本語分科に参加した金蓮美教員(京都中高)は、「神奈川中高の一貫教育に関する論文が非常に興味深かった。同じ中高なので、さっそく実践していきたい」と語った。

 西播初中の金相訓教員は、「2年前にくらべ、参加している先生たちの研究が深まったと感じた。資料も今までないくらいの量で、とても見やすく、驚いた。ほかの先生たちの発表は自分自身の授業を振り返るうえでとても良い刺激になった。次はもっと研究に励んで論文賞を取りたい」と語った。

[朝鮮新報 2007.1.31]