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〈朝鮮学校性教育の現場から〉 「生命誕生」 その神秘と尊厳を学ぶ

 1998年、兵庫県朝鮮学校保健校医会設立のもとに看護部会を発足させ、初潮教育から始まったウリハッキョでの性教育活動は、歴史を経て2004年、担当看護師制を確立させ、県下全ての初級学校の各学年で性教育を実施するに至っている。

 昨年度は、「性を学ぶことは命の大切さを学ぶこと」と銘打ち、初級学校の低学年を中心に、「生まれた時のぼく、わたし」「ぼく、わたしの名前と役割」の題材をもとに、親から子への手紙を中心に生命の尊さを実感させる授業を展開してきた。

 今年度は、ナプキン製造会社の協力を得て、県下全ての学校の4、5、6年女子にナプキンセットを配り、通常の性教育授業に加え、女子のみを対象にした初潮教育の充実を計って来た。

 さらに、充実してきた初級学校への性教育活動を、中級部へ進学してからの生徒たちにも継続したいと考え、今年度は中級部への「生命の誕生」をテーマにした性教育に挑戦した。授業では、性についての生物学的な解説に加え、何代も引き継がれてきた民族の遺伝子を自身が受け継ぎ、次代へ引き継ぐ大切さを教育することができたと実感している。

 初潮教育の充実に加え、新たに挑戦した中級部への性教育を中心に活動内容を報告する。

 (看護師=姜順姫、康仁順、徐理和、金志純、金秋月、小泉詔子、助産師=趙春香、孫春美、濱田浩子、福川奈津、医師=姜京富)

中級部生徒の性教育に挑戦! 抱いて実感 生命の誕生は遺伝子の継続

生徒へのアンケート結果 生徒の感想
−授業は?
わかりやすかった

77%

−今後の授業について
また受けたい

20%

どちらでもよい

66%

−情報はどこから?
友人から 

32%

両親から

15%

インターネットから

13%

テレビ、ラジオから

14%

−悩み相談は?
両親に相談

39%

兄弟姉妹、友人

21%

相談しない

40%

−1年生
楽しかった。
もっと知りたい。
おもしろかった。
身体についてよくわかった。
またこんな機会があればいい。
6年生の時と同じように習うことができてよかった。
−2年生
おもしろかった。
よくわかった。
赤ちゃんをだっこしてお母さんは大変だったことがわかった。
−3年生
なにがなんだかわからない。
理科の授業に近かった。
赤ちゃんがどのように育つかがわかった。
教員の感想 感想
−授業は?
わかりやすかった

20%

−今後の授業について
また受けたい

100%

どちらでもよい

0%

−悩み相談は?
両親に相談

8%

兄弟姉妹、人

25%

相談しない

16%

−情報はどこから?
友人から

18%

両親から

12%

インターネットから

6%

テレビ、ラジオから

6%

 性に対する理解を深め自身の存在の尊さと、父母への気持ちを抱く良い機会となった。

 講師がウリマルを使うなど生徒たちへのコミュニケーションをとるための努力が感じられた。

 学ぶことがたくさんあった。

 時間が足りないからだと思うが、知識を知ったうえで今後子どもたちがどうすればよいかなどが、はっきり伝わってこなかった。

今年度の活動報告

教育は継続なり。民族を受け継ぎ、未来へと引き継ぐ子どもたちにわたしたちができることは…(2年生)

中級部への性教育

受精の仕組みと生命の誕生(1、2、3年)、性を受け止め大切にする(1、2、3年)、性感染症について(3年) 2年生−先祖の遺伝子がわたしたちの中にある、実物大赤ちゃん人形を抱く、性情報への対処、犯罪に巻き込まれない

積み重ねてきた初級部への性教育

卒業で終了? 中学生になった子どもたちにも引き継がれていく ナプキンセットを配布、ナプキンの取り扱い方を教育、指導、男子と別の教育の必要性

(兵庫県学校保健校医会看護部会)

[朝鮮新報 2007.1.27]