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熊本朝鮮会館固定資産税等減免に関する最高裁の上告棄却問題 北野弘久氏が寄稿

怒りと悲しみ禁じえない

 既報のように、熊本朝鮮会館に対する熊本市の固定資産税等の減免措置に関する福岡高裁判決を不服として提起した上告を、最高裁が11月30日棄却したことについて日本大学法学部名誉教授・法学博士の北野弘久氏は、本紙に寄せた一文で「最高裁が職務放棄した」と批判した。

 北野名誉教授は、約40年間にわたって免税扱いとされてきた総連施設に対する固定資産税等を、石原都知事が朝鮮に対する政治的偏見から打ち切ったと述べ、このような動きにもかかわらず、熊本市長は熊本朝鮮会館に対しては「公民館類似施設に該当する公共施設」に該当するとして免税扱いを続けたと強調した。

 また、熊本地裁は熊本市長の免税扱いを支持したものの、福岡高裁は、「同施設はもっぱら北朝鮮の国益のため、在日朝鮮人の私的利益のための活動しか行っておらず日本社会一般の人々の利益になるような活動を行っていないため」免税とする扱いは適当でないとの判断を下したと指摘。福岡高裁判決は、司法裁判所の「判決」に値しないものであったと非難した。

 そのうえで、最高裁は何の審理もしないで、「本件上告理由は事実誤認又は単なる法令違反」であって民訟法312条の上告理由に該当しないとして棄却したとしたうえで、「司法改革」という大義名分のもとに行われた日本の最近の司法裁判の実態は、実質的には1審、控訴審だけの2審制になっている事実が、今回の最高裁決定によっても証明されたと強調した。(日大法学部名誉教授・法学博士)

最高裁の職務放棄 北野弘久(全文)

[朝鮮新報 2007.12.26]