top_rogo.gif (16396 bytes)

大阪で告発記者会見 「薬事法違反」 不起訴処分で

「捜査機関による虚偽告訴」

 「薬事法違反の教唆」の容疑をかけられていた朴順粉さんが不起訴処分(6月20日)となり、医薬品を販売した医師も同じく不起訴処分となった。これを受けて7月23日、警視庁公安部と東京地方検察庁公安部に所属する同薬事法違反事件の指揮権者と中枢機関を告発する記者会見が、大阪地裁旧弁護士会館司法記者クラブで行われた(写真)。

 告発したのは有元幹明氏(日朝国交正常化早期実現を求める市民連帯・大阪)、永久睦子氏(同)、松本健男氏(同、弁護士)、加來洋八郎氏(おおさかユニオン代表)、淺田義信氏(自主・平和・民主のための広範な国民連合大阪代表)、伊関要氏(「平和の糧」共同代表)の6人。

 告発人らは被告発人らを、刑法172条(虚偽国訴罪)の刑に処することを、東京地方検察庁検事正(伊藤鉄男)に求めた。

 告発人を代表し有元氏、永久氏、松本弁護士が記者会見に臨んだ。

 松本弁護士は、告発に至った経緯について、東京で起こった事件ではあるが、日朝両国間の問題である以上、自分たちの問題でもあると述べ、「看過することの出来ない、全国的な問題である」と強調した。

 そして、朴さんは何の根拠もなく「薬事法違反」の「犯罪者」としてでっち上げられて大きく報道され、大変な「事件」になったものの、実際には普通の市民であったことが明らかになったと指摘。虚偽の事実に基づいて強制捜査が行われたと強調した。

 有元氏は、「国家権力の横暴を許してはならない」と批判の声を上げ、永久氏は「間違いを認め真実を報道しなければならない」と強く訴えた。

 会見では、捜査の不当性について言及が多くなされた。

 松本弁護士は「犯罪」の成立に続き、刑事処分を下すことが、捜査以前の段階で了解されていたはずだと指摘した。

 記者会見では告発状が発表された。告発状は、「警視庁が、事実無根であるのに朴女史本人(朴順粉さん)に重大な薬事法違反があったとして、大量の捜査員を動員し、本件が重大かつ深刻な違反行為であるとして、大々的に報道せしめたものであって、朝鮮民主主義人民共和国に対して一片の根拠もない、不当な疑惑をねつ造しようとしたもので、とうてい許容しがたい犯罪行為である」と指摘。「被告発人らの行為は、刑法172条の行為に該当し、本件捜査を計画し、指揮し、指導した被告発人らは刑法172条違反の実行責任者として処罰されるべきである」と強調した。

 刑法172条(虚偽告訴罪)では、「人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、三カ月以上十年以下の懲役に処する」と規定されている。(丘)

[朝鮮新報 2007.7.27]