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京都同胞年金訴訟 25日 大阪で決起集会、控訴審 26日から

「差別是正、最後までたたかう」

 日本の外国人排除政策によって今も無年金状態に置かれている京都府の同胞高齢者5人が、長い間精神的苦痛を受けたとして日本に損害賠償を求めた訴訟(2004年12月提訴)の控訴審が26日、大阪高等裁判所で始まる。前日の25日には大阪市中央区のドーンセンターで決起集会が行われる。「在日韓国・朝鮮人高齢者の年金訴訟を支える会」の田中宏共同代表(龍谷大学教授)が控訴審の意義などについて講演し、原告団代表の玄順任さんが発言する。

 原告側は2007年2月、京都地裁で訴えを棄却されて以降、控訴の準備を進めてきた。在日同胞、日本市民など支援者らは、不当判決を下した京都地裁に抗議するとともに、厚生労働省や国会に問題解決を訴え続けてきた。

 原告団、弁護団、支援者らは「最後までたたかう」と意気込みを語っている。京都や大阪の在日同胞らによる同様の二つの訴訟では、ともに地裁、高裁で訴えが棄却された。それだけに不当判決を繰り返させまいと力が入る。

歴史的経緯、明確に

 一連の判決で裁判所は「裁量権」を判決理由に挙げた。「在留外国人に比して日本人を優先的に取り扱うことを立法府の裁量の範囲内として許容している」(2月23日京都地裁判決文から)と「日本国民優先」を公然と認めており、社会構成員であろうが、税金を納めようが、「日本国民と同じ社会保障を与えるべき法的義務はない」としている。

 無年金問題について昨年、厚生労働省は「在日外国人だけに経過措置を設けることは、日本人とのバランスを欠くことになる」と主張した。この考えはつまり、掛け金を「払えるのに払わなかった」日本人を救済し、「払いたくても払えなかった」在留外国人を数十年間放置している今の現状こそがバランスのとれた状態だと捉えているということだ。

 こういった差別的発想を正すために、原告側は裁判の過程で、朝・日間の過去の歴史、在日朝鮮人発生の経緯などについて説明し、原告らが異国の地で強いられてきた厳しい生活について訴えながら日本政府の責任を追及してきた。だがこれまでの判決ではそうした歴史的経緯について触れられることはなかった。

 「差別をなくしたい」

 「最後までたたかう」

 控訴審に臨む原告、弁護団、支援者らの決意は固い。

 ●決起集会 25日(水)、18時半〜、ドーンセンター(京阪・地下鉄「天満橋」駅徒歩5分)

 ●控訴審第1回口頭弁論 26日(木)、14時〜(13時半ロビー集合)、大阪高裁(地下鉄「淀屋橋」駅徒歩5分)

[朝鮮新報 2007.7.17]