コリアンネットあいちが年金差別の是正などで 名古屋市長、県知事に要望書 |
「いこいのマダン」利用者も同行 NPO法人コリアンネットあいちが6月18日、年金差別の是正と無年金外国人高齢者、障がい者の救済を求め、名古屋市長と愛知県知事に要望書を提出した。デイサービスセンター「いこいのマダン」の利用者2人も同行した(写真)。 今回の要望書提出は、「いこいのマダン」に通っていた利用者が、名中同胞生活相談綜合センターに相談をもちかけたのがきっかけ。その利用者はそれまで、名古屋市から支給されている月1万円の外国人高齢者給付金でデイサービスを利用していたが、介護保険制度の改正による負担増により、月1万円ではデイサービスに通えなくなった。 この相談を機に「いこいのマダン」で調べたところ、生年月日が数カ月遅いことで手当ての対象から外され、嫁からの小遣いで遠慮しながら通所している利用者がいることも判明した。 コリアンネットあいちでは理事会で協議のうえ、独自の救済をしているが、急を要する内容であることから、給付金の引き上げと介護保険利用において特別救済措置を講ずることや自治体間の格差をなくすこと、年金相当給付額の補助金を支給することなどを名古屋市と愛知県に求めた。 要望書の提出に同行した「いこいのマダン」の利用者である趙相任さん(92)は、「長生きしてすまない、娘に負担をかけないでどうにか暮らしたい」と静かに語り、金小太順さん(81)は、「贅沢したいわけじゃない、貧乏は慣れているから。『マダン』が一番の楽しみだが嫁に申し訳ない」と涙ぐんだ。 名古屋市高齢福祉課の山田孝守課長は、「介護保険制度の改正によって浮き彫りになった問題点であろう。国には数回にわたり強く要望している。無年金状態の人がいなくなることが大事で、救済のために全般の福祉制度から対処したい」と発言した。同行した斉藤亮人・名古屋市議会議員は、「生活保護を受けずにがんばっている彼女らを救済することが自治体にとっても大事ではないか」と善処を求めた。 名中センター事務局の尹昌溢氏は、「彼女たちは日本の植民地時代に苦労を重ねてきた人たち。少しでも楽をさせてあげたい。最低限の生活水準を維持させて欲しい」と訴えた。 この日、ハルモニたちが要請する事を知って、在日外国人の年金差別をなくす会の鄭秀永代表も同行し、「自治体から国を変えてほしい」と強調した。【NPO法人コリアンネットあいち】 [朝鮮新報 2007.6.27] |