〈薬事法関連強制捜索訴訟〉 第1回口頭弁論 「事件」でっち上げ、強制捜索 |
同胞女性が薬事法違反行為を「教唆」したなどと警察当局がでっち上げた「事件」をもって警視庁が総連関連施設を強制捜索した問題で、不当な捜索を受け物品を押収された総連東京都本部と総連渋谷世田谷支部などが日本国と東京都に対し損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が4日、東京地方裁判所で行われた。 口頭弁論では、朴昌吉総連東京都本部委員長が意見陳述した。朴委員長は、在日朝鮮人の歴史、総連と本部、支部の活動内容について言及し、強制捜索の不当性を訴えた。その上で、朝鮮に対する「圧力」の一環として警察当局とメディアを動員して総連への政治弾圧を敢行する日本政府当局の謀略的意図について指摘した。また、「薬事法違反事件」がそもそも何ら犯罪性がなく、総連が何ら関連もないことを「警察自体が百も承知だったのではないのか」と指摘し、謝罪と賠償を求めた。 警察当局は昨年11月27日、同胞女性が医師に対し薬事法違反にあたる行為をそそのかしたという「事件」をでっち上げ、総連が通常行っている訪朝手続きを「事件」と意図的に結びつけることで、総連東京都本部、総連渋世支部の会館などを強制捜索し、会館内の資料、名簿などを手当たり次第に押収した。 しかし、総連側弁護団が示すように、警察当局の捜査、押収は「事件」と何ら関連性はなく、必要性もない。そもそも、当の同胞女性は「一般人が医者に薬を出して欲しいと言って医者が出してくれた薬をもらう」という一般的で正規の方法で薬を得たにすぎず、これが「教唆」にあたるなら「何でも教唆になってしまう」。 「ましてやその『教唆をした』とする女性の渡航手続きを手伝ったというだけで、総連施設や職員の自宅まで家宅捜索を行い、同胞たちの名簿やフロッピーディスク等を多数押収したということはまさに言語道断の暴挙だ」(朴委員長) 被告側は、裁判官から「反論」のための文書や証拠を速やかに提出するよう促がされたが、警視庁の「捜査中につき資料をだせない」との口実を繰り返した。時間稼ぎともみられる応対に傍聴席から失笑の声が聞かれた。 警視庁が不当に押収した物品はまだ返還されておらず、業務に多大な損害をきたしている。 次回の口頭弁論は7月23日に行われる。 「言語道断の暴挙」、謝罪と賠償求める 総連東京都本部委員長の陳述内容 [朝鮮新報 2007.6.5] |