警視庁公安部が４月２５日、拉致問題を口実に留学同中央本部事務所（東京都文京区）を強制捜索し何ら関係のない資料や名簿などを不当に押収した問題で、留学同中央本部は１８日、押収処分の取り消しと押収品の返還を求める準抗告を東京地方裁判所刑事部に申し立てた。

　申立書は「捜査から２０年近く、被疑事実からは約３４年もの歳月が流れ、既に当時を知る者が誰一人としていない申立人方に強制捜査を行うというのは、きわめて異常である」と指摘。警視庁公安部による押収品のほとんどがパソコンやデータが収められたCD、FDなどの記録媒体であることに言及し、「パソコンが存在しない」時代の「被疑事実」と押収品が何ら関係がないことを指摘している。

　また、強制捜索当日、同事務所が入居する朝鮮出版会館全体を警官らが取り囲み、他の入居者らの活動に支障を与えたこと、在日同胞一人を不当に逮捕（３日に釈放）したことなどを挙げ、警視庁公安部による強制捜索自体の不当性も指摘している。

　留学同の代表らは１８日、東京地裁の司法記者クラブで記者会見を開いた。留学同中央本部の趙斗城委員長は「あたかも留学同が工作機関であるかのように扱い、拉致問題と強引に結び付けている。押収物は９０年代後半から２０００年代の物で、関係のないことは明らか。（強制捜索は）国家権力を乱用した強盗行為だ」と述べた。

留学同中央が押収処分取消と押収品返還求め準抗告申立（０７年５月１８日）（PDF）

［朝鮮新報 2007.5.19］