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大阪朝高「運動場明け渡し裁判」 23日に第2回口頭弁論

学び舎守るためには多くの力が必要

1000人もの同胞、学父母、日本の市民らが参加して行われた明け渡しに反対する集会

 大阪朝鮮高級学校の運動場明け渡しに関する裁判の第2回口頭弁論が23日に行われる。関係者、学父母および弁護団は、広範な同胞、日本の市民による支援と応援を呼びかけている。「枝川裁判」が物語るように、「教育の場」と子どもたちの「学習権」を守るためには多くの支持と協力が不可欠である。現在、署名運動が繰り広げられているほか、「支援する会」の発足が準備されている。

 「運動場明け渡し裁判」第1回公判および緊急集会(3月15日)に続き、4月20日に明け渡しに反対する集会(クレオ大阪中央)が、1000人もの同胞、学父母、日本の市民らの参加のもとで行われた。

 弁護団の丹羽雅雄弁護士は、大阪朝高は地域中等教育の基盤的施設であると指摘。裁判は実務的な「土地問題」ではなく子どもたちの「学習権」と「民族教育権」に関する問題だとその本質に触れた。また、東大阪市が掲げる人権尊重を目指した市民都市の創造精神からも今回の「土地区画整備事業(注参照)」は反していると述べ、すべての住民は学ぶ権利を平等に持っており、これは基本的権利の中核を成すことを裁判官はしっかりと認識しなければならないと強調した。

 最後に弁護団は「学習権」「教育権」を守り、闘い抜くことを約束し、学び舎を守るためには市民の力が必要であり、重大な裁判であることを広く訴えていこうと呼びかけた。

 集会には「枝川裁判」弁護団の金舜植弁護士、師岡康子弁護士も駆けつけ、応援のメッセージを伝えた。金舜植弁護士は「枝川裁判」の経緯と教訓を語り、国際人権規約上、その権利性は高まっているのに民族教育に対する権利が弱まる訳がないと強調し、大阪朝高を学校として認めさせ、すべての子どもたちの学ぶ権利を保障させる裁判にしなくてはいけないと言及した。また、そのためには周囲からの応援が必要だと強く訴えた。

 生徒代表、東大阪市民代表が協力を呼びかけ、集会アピール文が読み上げられた。

 集会では@この問題がすべての子どもの学ぶ権利と民族教育の保障にかかわる問題であるとの観点にたち、明け渡しに反対する運動を力強く繰り広げる、A東大阪市は大阪朝鮮高級学校の運動場明け渡し訴訟を取り下げ、問題解決にむけた話し合いに真摯に応じるべきである、B大阪地裁は日本の歴史的責任から国際社会において確立されたマイノリティの民族教育権利の保障を認め、東大阪市の訴えをしりぞけるよう求めることなどが確認された。

 【注】「土地区画整備事業」とは都市計画区域内において、公共施設の整備改善と宅地の区画形質の変更による利用増進を図り、新たな市街地、住環境の構築を目指す事業である。これには特別な措置(95条)が定められている(1項「次に掲げる宅地に対しては、換地計画において、その地位、地積等に特別の考慮を払い、換地に定めることができる」1号「…学校、…その他の公共の用に供する施設で政令で定めるものの用に供している宅地」政令58条5号「学校教育法1条に規定する学校、同法82条の2に規定する専修学校及び同法83条1項に規定する各種学校」)。このことからも「教育施設」を「工業用地」と同等に扱う原告(東大阪市)の訴えは再考されるべきだ。

[朝鮮新報 2007.5.18]