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固定資産税減免取りやめで 総連神奈川 横浜市を提訴

 横浜市が市内の総連関連施設の公益性を認め2005年度まで講じてきた同施設に対する固定資産税と都市計画税の減免措置を一方的に取りやめた問題で、総連側は4月20日、減免不許可処分の取り消しを求め横浜地方裁判所に提訴した。

「ミサイル」理由に市長の独断で

 横浜市は昨年7月、朝鮮の「ミサイル発射」を口実に急遽方針を変え、固定資産税などの減免を「全面的に行わない」よう各区に通達。これに基づき各区は2006年度分の減免申請を不許可とし課税した。また、横浜市長は不許可処分の取り消しを求めた総連側の申し入れと審査請求を棄却した。

 中田宏・横浜市長は昨年7月12日の定例記者会見で、「ミサイル発射」を口実に減免措置を取りやめる方針を明らかにし、「国全体で言うところの経済制裁という中にあたるのかもしれない」と述べた。横浜市は減免不許可、審査請求棄却の理由を「市長の裁量権の範囲内」としている。

 提訴後、原告側は横浜地裁の記者クラブで会見した。総連神奈川県本部の林鍾圭・国際部長は「(減免措置取りやめが)市長の独断によってミサイル発射訓練に対する対抗措置として行われたことは遺憾だ」と述べた。武井共夫弁護士は「税金の問題は法律に基づいて行われるべき。政治的判断で左右されてはならない」と指摘した。

 横浜市は「朝鮮人会館等に係る固定資産税及び都市計画税の減免取扱について」(1977年11月26日財税制第84号)に基づいて2005年度まで「自治会・集会所に準ずるもの」として市内の総連関連施設に対して減免措置を講じてきた。

 2006年度分についても前年までと同様に減免に向けた調整が進んでいた。戸塚朝鮮会館については、区がすでに減免適用した税額で納税通知書まで送付していたが、横浜市の方針変更を受け税額を変更した。

 問題の対象となっている総連施設は在日朝鮮人、日本人に無料で公開、利用されている。西横浜朝鮮会館の利用実態を調査した宋惠燕弁護士も「生活相談など地域に密着した活動が行われており、不特定多数の人が利用している」と指摘している。

[朝鮮新報 2007.5.2]