ファッショ的な強制捜索を民族的怒りをもって断固糾弾する 総連中央 高徳羽副議長兼同胞生活局長の談話 |
警視庁公安部は、4月25日午前8時10分から午後12時30分頃まで、在日本朝鮮留学生同盟と朝鮮問題研究所に対する強制捜索をおこなった。 警視庁公安部は今回、朝鮮出版会館内にあるわずか十数坪の事務所を対象にして、大型装甲バス15台を含む警察車両42台と武装警察官300人を動員し、常軌を逸したファッショ的な強制捜索を大々的におこなったのである。 警察当局は、捜索当初から不当な捜索に抗議する在日朝鮮同胞らに「公務執行妨害で逮捕する」などと叫びながら威嚇し、ひいては在日同胞の一人に襲いかかり、殴る蹴るなどの暴力で負傷させたあげく、「公務執行妨害」で一方的に逮捕するという許しがたい暴挙に出た。 今回の強制捜索は、安倍政権と警察当局が30数年前の事柄を新たな「拉致事件」に仕立て上げ、総理の訪米を前に拉致問題をさらに政治利用しようとして画策した朝鮮総連に対する横暴極まりない政治弾圧である。 強制捜索の対象となった在日本朝鮮留学生同盟は、日本の大学に通う在日朝鮮学生の親睦団体であり、現在のメンバーは30数年前にはこの世に生まれてもいない。朝鮮問題研究所にいたっては、すでに解散して久しい。 われわれは、警視庁公安部による今回の不当な強制捜索を、民族的怒りをもって断固糾弾する。 今回、とくに看過できないのは、安倍政権と警察当局が、何ら関係のない朝鮮総連の最高幹部らに対し「事情聴取」するなどということをマスコミに事前にリークし、「拉致事件」と無理やり結びつけて、朝鮮総連があたかも「犯罪を犯している」かのごときイメージを作り上げるため、悪意に満ちた世論操作を故意に行っていることである。 そして、その意を忠実にくんだ読売新聞は、25日の夕刊の記事で朝鮮総連の最高幹部らをあたかも「容疑者」のように扱った。 朝鮮総連と最高幹部らがそのような「事件」に一切関わっていないことは、明々白々な事実である。 公正な報道に努めるべきジャーナリズムの一員である読売新聞が、日本の警察権力の謀略的な国策捜査に積極的に加担し、その代弁人の役割を担いながら世論をミスリードしようとすることは恥知らずの言論テロであり、朝鮮総連と最高幹部らの名誉を著しく傷つける無礼な行為である。 周知のように、朝鮮総連は結成以来50数年もの間、日本の内政への不干渉と法の遵守を基本原則とし、民族教育をはじめとする在日朝鮮人の権利と生活の擁護のために活動し、朝鮮と日本との友好親善のために尽力してきた在日朝鮮同胞の民族団体である。 にもかかわらず、安倍政権と警察当局が「拉致問題」を執拗に政治利用し、朝鮮総連のイメージを傷つけ弾圧を強めていることを、われわれは断じて許すことができない。 われわれは、安倍政権と警察当局、そしてその世論操作に加担する読売新聞に強く抗議し、以下のように要求する。 一、安倍政権と警察当局は今回の不当な強制捜索について謝罪せよ。 一、安倍政権と警察当局は、「拉致問題」を内政に利用し、何の関係のない朝鮮総連と在日同胞に汚名をきせ弾圧する卑劣な行為をただちにやめよ。 一、警察当局は、暴力を振るって負傷させたうえに不当に逮捕した在日同胞を即時釈放せよ。 一、読売新聞は朝鮮総連の最高幹部らを「容疑者」扱いにした記事を撤回し謝罪せよ。 2007年4月26日 [朝鮮新報 2007.4.26] |