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東大阪初級の保護者ら、市教委と団体交渉 処遇改善強く求める

市教委側に処遇改善を求める保護者ら

 東大阪朝鮮初級学校生徒の保護者らは2月16日、東大阪市民会館で東大阪市教育委員会と団体交渉を行った。

 保護者会(高元亨代表)とオモニ会(金芳美会長)の代表11人、教職員5人、総連東大阪南支部と女性同盟支部委員長ら18人が参加した。また、東大阪市教職員組合の林二郎委員長、「東大阪日・朝友好の会」の瀬川誠会長、「日・韓問題を考える東大阪市民の会」の田村幸二事務局長らが同席した。

 会合では、案内役の久保武彦東大阪市議会議員と、市教委を代表して社会教育部長があいさつしたのに続き、東大阪初級を代表して教育会の金大守会長が同校の処遇改善を求めた。

 金大守会長は、@東大阪市が2003年に策定した「東大阪市外国籍住民施策基本方針」に沿って、重い負担を強いられている保護者への直接的支援策として、「保護者補助制度」を新設し、保護者の不平等で不利益な状態を解消すること、A義務教育課程の朝鮮学校に対する教育振興補助ならびに教育補助金を大幅に増額すること、B2004年7月に成立、公布された「次世代育成支援対策推進法」に基づき、朝鮮学校に通う児童の母親が安心して働けるよう、朝鮮学校にも「留守家庭児童育成クラブ」を至急設置し、新たに2007年度に創設する「放課後子どもプラン−放課後子ども教室推進事業−」に朝鮮学校も含めること、C「地域の子ども」である朝鮮学校児童、生徒の安全確保を図るため、東大阪市が推進する「子ども安心安全事業」などで講じられている「警備員」の配置、「オートロック」「インターフォン」の設置等を朝鮮学校にも適用すること、などを求めた。

 これに対し市教委側は、@とAについては引き続き努力し、Bについては近隣の公立小学校に協力を求めて善処することと朝鮮学校も予算に入れて検討すると述べた。しかし、Cについては府の事業なので難しいと答えた。

 つづいて、保護者会とオモニ会の代表らが意見を述べた。

 代表らは、「納税義務を果たしているのに、朝鮮学校に対する補助は著しく少ないばかりか、保護者に対する補助がまったくなされていない」「学校施設の改装や修理も学父母や地域同胞の負担で賄っており、市の財政も厳しいだろうが、助成金の増額や保護者補助制度の新設を強く求める」「多文化多民族共生の町づくりを進める東大阪市は、もっと朝鮮学校を理解すべき。朝鮮学校も一つの公立学校区とみなし、公立学校で施されている安全対策などを強く求める」などと訴えた。

 また、林二郎委員長と瀬川誠会長も、朝鮮学校の処遇改善を訴えた。

 市教委人権教育室長は、「日本の社会はまだまだ朝鮮学校を受け入れていないが、われわれは人権教育の観点からできることは全力で頑張っている。今日、保護者のいろいろな意見を聞くことができて大変良かった」と語った。また、「2007年度に創設する『放課後子どもプラン−放課後子ども教室推進事業−』に朝鮮学校を含めるため検討している。子どもの安全を確保するためできることから実施していきたい」と答えた。

 東大阪初級では、13年前から年に1回以上東大阪市長と教育長に対して正式に要請しているほか、2006学年度は昨年11月に続き2月7日にも要請活動を行った。【東大阪初級】

[朝鮮新報 2007.3.12]