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滋賀朝鮮初級学校 不当捜索を糾弾、抗議

「朝鮮学校オモニ会」、滋賀緊急集会参加者抗議文

▽「朝鮮学校オモニ会」一同

 滋賀朝鮮初級学校に土足で踏み込んだ大阪府警の暴挙を糾弾し5日、「朝鮮学校オモニ会中央連絡会」は大阪府警前の公園で抗議集会を開き、また1月31日、滋賀朝鮮初級学校でも抗議集会が開かれ、それぞれ大阪府警あてに抗議文を送った。以下抗議文の全文を紹介する。

 1月28日、大阪府警は「電磁的公正証書原本不実記録」などの容疑を口実に130人にも及ぶ多数の警官を動員し、滋賀朝鮮初級学校に踏み込み、5時間という長時間にわたり強制捜索を断行しました。

 同胞商工人の営業用貨物車の名義問題うんぬんを口実に、多くの武装警官まで動員して、事件とは何の関係もない、滋賀朝鮮初級学校に土足で踏み入った大阪府警の暴挙は、前代未聞の政治的弾圧であり、道義上決して許されない、非人道的な行為です。

 私たち朝鮮学校生のオモニたちは、大阪府警察当局の、このような暴挙を激しい民族的怒りをもって、強く抗議します。

 すべての朝鮮学校同様、滋賀朝鮮初級学校は、過去日本の植民地支配のもとで強制的に連れてこられた在日同胞が、祖国解放後、奪われた民族の言葉と文化をこどもたちに学ばせるため、心血を注いで築き、60年間代を継いで守り通してきた、神聖な学び舎であります。

 この聖域とも言える学校現場に、教職員たちがすべて出払った日曜日の早朝、武装警官が土足で押し入り、職員室をはじめ数々の室を荒らし、事件とは何ら関係のない学校の書類、ひいては生徒と学父母の名簿まで押収したことは、今回の捜索がいかなる意図を持って行われたかを明らかに示しています。

 民族教育の歴史的経緯から鑑みても、在日朝鮮人の民族教育を保護し、助成して然るべき日本政府当局が、道義的義務を全うするどころか、神聖な教育現場に押し入るなど言語道断です。

 この前代未聞の学校弾圧は、ひとかけらの良心も良識もかいまみえない、非道極まりない暴挙、民族教育に対する冒とくであり、著しい教育権の侵害です。

 これはまた、日本という異国にあっても、民族性を守りながら子を産み育てていこうとする在日朝鮮人の母親たちをはじめとする、すべての在住外国人に対する卑劣な嫌がらせ、民族のプライドに対する悪質な挑戦であり、明らかな人権侵害です。

 日本が加盟している国連「子どもの権利条約」では、全ての子どもたちに、自国の言葉と歴史を学び、自民族の文化を享受する権利があることを明記しています。民族学校に押し入るという今回の暴挙はまさに、この子どもたちの当然の権利を、国家権力と警察権力の名の下に白昼堂々と踏みにじる行為であり、決して許されないでしょう。

 私たち、各都道府県の「朝鮮学校オモニ会」は在日コリアンの全てのオモニたちの名において、日本政府当局と大阪府警察当局が、民族教育に対する冒とくと在日コリアンに対する常軌を逸した政治弾圧を今すぐ中止し、学校に対する強制捜索の不当性を認め謝罪するよう断固要求します。

 2007年2月5日

▽滋賀朝鮮初級学校に対する強制捜査を糾弾する緊急集会参加者一同

 大阪府警察当局は1月28日(日)、「電磁的公正証書原本不実記録」などの容疑を口実に130人の警官を動員し、滋賀朝鮮初級学校などを5時間に及んで強制捜索しました。

 同胞商工人の営業用貨物車の登録上の名義問題を意図的に事件化し、多くの武装警官まで動員して、それとはまったく関係のない滋賀朝鮮初級学校に土足で踏み入った大阪府警の暴挙は、まさに法の名を借りた不当な権力の濫用であり、前代未聞の政治的弾圧であります。

 われわれは、大阪府警察当局のこのような暴挙を激しい民族的怒りをもって、強く抗議します。

 滋賀朝鮮初級学校は、日本の植民地支配のもとで強制的に連れてこられた在日同胞たちが、解放後、奪われた民族の言葉と文化を子どもたちに学ばせるため、心血を注いで築き守ってきた神聖な教育の場であります。

 にもかかわらず、大阪府警は、東京での全国民族教育研究会に参加するため教職員不在の学校を130人の武装警官で取り囲み、校長室や教員室、教育会室にまで土足で押し入った。そればかりでなく、事件とはなんら関係のない児童、保護者名簿などまで押収したことは、今回の捜索がいかなる意図をもって行われたかを明らかに示しています。

 歴史的経緯から見て日本政府当局は、在日朝鮮人の民族教育を保護し、助成する当然の道義的義務を負っているにもかかわらず、今回教育現場に対して弾圧を行ったことは、到底許すことのできない非道極まりない暴挙、民族教育に対する冒涜であり、著しい教育権の侵害であります。

 われわれは、日本政府当局が朝鮮総連の組織と民族教育、在日同胞に対する常軌を逸した政治弾圧と人権侵害を即時中止することを強く求め、大阪府警察当局が今回の強制捜査の不当性を認め謝罪し、押収したすべての資料を即刻返還するよう断固要求します。

 2007年1月31日

[朝鮮新報 2007.2.19]