不当捜索を糾弾する兵庫県朝鮮人緊急集会 「一致団結してたたかおう!」 |
既報のように、兵庫県朝鮮人商工会に対する警察当局の不当な捜索を糾弾する兵庫県朝鮮人緊急集会が14日、神戸市勤労会館で行われた。集会には、兵庫はもちろん大阪、京都、奈良、滋賀、和歌山など近畿地方の同胞と活動家ら800余人が駆けつけ、警察当局ひいては日本当局の反総連、反朝鮮人策動を厳しく非難した。 「政治的意図明らか」
「新年早々から昨年12月に続き、県商工会に対する強制捜索を敢行し、『税理士法違反』という口実のもと、職員を逮捕した警察当局に激しい憤りを覚える」 報告を行った総連兵庫県本部の李文伊委員長はこのように述べながら、今回の不当捜索は、昨年の強制捜索に対する謝罪どころかさらに強硬に弾圧に乗り出したことの証左だと非難した。 また、県商工会への強制捜索にあたっては、マスコミに事前に情報をリークし「(金滝夫室長が)容疑事実を認めている」などと事実と異なる報道をさせたばかりか、商工会側の正当な主張についてはいっさい報道しないなど、はじめから今回の強制捜索を政治利用しようとした意図が明らかだと指摘した。 そのうえで、今回の強制捜索は税金申告の差し迫るこの時期に商工会に弾圧を加えることで、同胞たちに不安感を与え、組織と同胞の間に楔を打ち込み、ひいては総連組織全体を弾圧する口実を作るためのものだと強調。一致団結して警察当局の不当な弾圧を糾弾し、金滝夫室長の一日も早い釈放を勝ち取っていこうと訴えた。 連帯のあいさつを行った「対話で平和を! 日朝関係を考える神戸ネットワーク」の高橋秀典代表は、「阪神・淡路大震災を機に日本人と外国人が共に暮らしていこうという関係が築かれつつあった神戸で、このような強制捜索が行われたことによりすべてが水泡に帰すのではないかと危惧している。今回の強制捜索は拉致問題同様、政治利用しようとしているのが明らかだ」と述べながら、手を携えて共にたたかっていこうとエールを送った。
「民族学校を支える女たちの会」の山村ちずえ代表も、「ほとんどの日本人は強制捜索の真相を知らない。在日の次は自分たちだということをもっと多くの日本人に知らせていかなくてはならない」と述べながら、朝鮮学校児童らへの暴行や嫌がらせがないよう努力するべきだと語った。 集会では、県商工会の金英俊理事長をはじめとする各機関、団体の活動家ら3人が強制捜索への怒りを露にしながら、不当性を暴露した。 会場を埋め尽くした参加者らは、「日本警察当局の不当な弾圧を粉砕しよう!」「一致団結して総連と商工会を守り抜こう!」などのシュプレヒコールを叫びながら、警察当局を厳しく非難した。 集会では、兵庫県警への抗議文が満場一致で可決され、抗議団のメンバーが紹介された。 「許されざる暴挙」 集会を終えた参加者らは県庁前に集まり、横断幕やプラカードを手にデモ行進を行った。 抗議団が県警に入ると、参加者らは大きな拍手で抗議団を送った。 その後参加者らは、「室長を一日も早く釈放しろ!」「強制捜索について謝罪しろ!」などとシュプレヒコールをあげながら、兵庫県警を取り囲むようにデモ行進した。 兵庫県警では、「交通を妨げる」という口実でデモ行進を2列で行うことを要求したほか、デモ行進中はすべての出入り口に盾を持った警官らを配備した。 緊急集会で採択された抗議文について県警側は当初、受け付けないとの態度を示していたが、広報室の担当者が現れて抗議文を受け取り「上部機関に伝える」と約束した。 集会に参加した総連明石支部の金南圭顧問は、「同胞たちの生活と直接的に関係する重大な問題で、許されざる暴挙だ。今回の強制捜索は政治目的以外のなにものでもない。今後も多くの同胞が集まってたたかい続けていかなければならない」と語った。 総連兵庫県本部では、昨年12月5日の強制捜索以後、本部と支部、商工会や青商会、朝青の活動家らを中心に対策委員会を結成。不当な弾圧に対抗するための対策を練ってきた。 対策委員会では今後も、デモ行進などの抗議行動を通じて、強制捜索の不当性を知らせ、金滝夫室長の一日も早い釈放を求めていく計画だ。(李松鶴記者) [朝鮮新報 2007.1.19] |