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同胞による同胞の介護 ホームヘルパー2級への道 −6−

清潔さを保って身も心も健康に

入浴、清拭も大切な仕事

 「身体の清潔」について6時間の演習を受けた(写真)。

 清潔さを保つことは大事なことだ。不衛生な状態では抵抗力が低下し、さまざまな病気に感染したり、障がいを受けやすくなるほか、心の健康も害してしまう。利用者の日々の体調を確認し、清潔さを保つのはあくまでもホームヘルパーの大切な責務である。

 受講生の中で一番年下の梁くん(18、男性)が半裸となりモデルを務めた。「強制された」と言うが、まんざらでもない様子だった。

 指先、腕、肩と、心臓より遠い部分から心臓に向かって清拭していく。これは肩甲骨や足など、どこを清拭する際にも共通することだ。

 腹部は、「の」の字を描くように腸の位置に沿って清拭を行う。こうすれば、利用者の便通もよくなるとのこと。

 ベッド上での洗髪も演習した。ドライシャンプーなど水を使わない方法もあるが、演習では、実際にお湯を使って洗髪を行った。

 爪を立てないよう指の「ハラ」でこするように洗う。目や耳に水が入らないように注意する。ベッド上なので極力、水は使わないようにしたい。洗い流す前にタオルで泡を拭き取ると効果的だ。

 講師がある事例を紹介してくれた。

 「いちご」の好きだった人がいた。その人は認知症が進行したせいで、「いちご」が好きだったことも忘れてしまった。しかし、「いちご」が好きだった事実は失われない。まわりの誰かがそのことを覚えてさえいれば、その事実に気付くことができさえすれば、大好きな「いちご」を再び食べてもらうことができる。実際にその人は「いちご」に対して他の果物には見せない、いつもとは違う反応を見せ「いちごを手に取った」。これは些細なことではない。その人の個性や文化をあくまで尊重することに意義がある。

 食事しかり、入浴しかり、介護の現場は人と人の関係の上で成り立つ。どれだけ利用者の気持ちを汲み取れるかがポイントになる。(鄭尚丘記者)

 (次回は、「排泄の介護」と「緊急時の対応」。「おむつ博士」と「み、た、け、い、こ」が登場。無作為に動かすと危険)

ワンポイントレッスン 講師からのメッセージ

 ブラッシングをすることで髪の汚れは60〜70%が落ちます。

 お湯を使うときはこまめに温度確認を行いましょう。

 お湯に水を加えることで温度調節します。

 顔を拭くときはまず目から。眼病に注意しなければなりません。

 目の次は鼻、口、おでこ、耳と続きます。

 身体の場合は心臓から遠い手先から、心臓に向けて清拭します。最後に陰部となります。

 (阿部百合子・介護福祉士、ケアマネージャー)

[朝鮮新報 2007.12.14]