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同胞による同胞の介護 ホームヘルパー2級への道 −2−

2級課程養成講座、開講

理解し受容するということ

 NPO法人ナビが主催する、ホームヘルパー・障がい者(児)居宅介護従業者養成講座(2級課程)が開講した(8月13日、写真)。第2期生は、第1期生より3人少ない16人。うち男性が4人で女性が12人だ。男性に限っては前期より増えたことになる。が、現場に限らず、受講生の段階から女性が圧倒的に多い(「問題点1」。「問題点」は本連載の中で後日まとめて取り上げる)。

 今期の受講生も前期同様、東京朝高を卒業したばかりの新社会人から、活動家、「超」が付くベテラン主婦まで、「在日同胞」であること以外に共通点はない。第1期は「記者」として、第2期は「受講生」として受講するにあたり、1期生が互いを「受講生同志」と語ったことが思い出された。

 130時間におよぶ研修が始まった。まずは教材との格闘。基本視点、基礎知識を深めるためのレポート3つの作成を求められた。合格ラインに届かないと再提出となるため気を抜けない。「記者」として「失敗は許されない」プレッシャーと、「朝大入試より必死だな」という周りの冷ややかな応援を背に真しに取り組んだ。結果、ひとつが満点を獲得し、無事合格を果たした。

 そして研修は講義へと。「障がい・疾病の理解」「介護事例検討」「相談援助とケア計画の方法」(以上各2時間)、「共感的理解と基本的態度の形成」(4時間)を受講する。

 講義の中で再度に渡り強調されたことは、「利用者の心を汲んで介護に取り組むべき」ということ。つまり、利用者を理解し受容することが大事だということだ。

 そのためには「老化」について医学的、心理学的に理解することが必要とされる。

 記憶は「花瓶のようなもの」と講師は言う。昔のことは数多く鮮明に覚えていたとしても、最近の記憶は「細く」なるからだ。「細い」記憶にだけこだわる必要はなく、聞き手になることによって記憶を蘇らせることができる。ゆえに、環境を同じくする同胞ヘルパーは、同胞の利用者に対して「ホッ」と安心感を与えることができると講師は続けた。(鄭尚丘記者)

 (次回は、基本的介護技術Tの「ベッドメーキング」など。たかがシーツ、されどシーツの難しさ)

ワンポイントレッスン 講師からのメッセージ

 山登りにもいろんなルートがあるように、いろいろなかたちで介護に関わることができます。

 わからないことをわかるための努力が大事です。

 技術はいずれ身についてくるものですが、利用者さんに対する共感がなければままなりません。

 2級を取ることと「ヘルパー」になることは違います。

 また、体力維持も芸のうちです。介護を支えるには、何より「ソフト」が優れていなければなりません。(瀬島慶子・介護認定審査会委員)

[朝鮮新報 2007.11.16]