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「よそ者」から仲間に

 同級生の結婚式に参加した。「感動」というよりも「感心」が多い式だった。

 朝高、朝大でともに学び、部活も同じ、登下校も一緒だった友人。彼のことなら何でも知っているつもりでいたが、その変貌ぶりには驚かされた。

 朝大を卒業して地元から離れた土地に就職した彼は、本業の傍らで地域の朝青活動に精を出した。老人をいたわって遠くにまで足を運ぶなど、熱心な仕事ぶりは式の間も上司や同僚たちによって伝えられた。いつも人を笑わせるお調子者で失礼ながらまじめな姿を見たことがなかっただけに、同級生らも一様に驚いた。

 とくに感心させられたのは朝青活動。仕事帰りや週末には必ず地域の青年たちと過ごしたという。後輩思いでよく食事に誘ったり相談相手にもなった。式ではそんな愛情を受けた後輩たちが肩を組んで涙ながらに歌う姿が印象的だった。

 地元でない地域に専従活動家として配属された人たちがしばしば突き当たる壁が、いわゆる「よそ者扱い」だという。「どうせいつかは地元に帰るのだろう」という心配から生まれるもので、どんな地域にも多少なりとも生じる問題だ。

 当の友人もこの壁にぶち当たった。朝青専従ではないので、なおさら口を挟める立場になかったそうだ。だが彼は「ここに骨を埋める」との決意でしたたかに汗を流した。次第に人々に受け入れられ、やがては朝青の中心的存在になった。

 数年前、「地元に帰らないのか」と聞いたところ「放っておけない」と返事していたのを思い出す。彼なりの思いやりが同胞の心をつかんだのだろう。(泰)

[朝鮮新報 2007.11.12]