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〈投稿〉 1世の分まで万歳を

 7年ぶりに北南首脳会談が実現して「北南関係発展と平和・繁栄のための宣言」を採択し、祖国統一実現と朝鮮半島の恒久平和構築を目指す確固たるメッセージを全世界に向けて発表した。

 北南朝鮮人民はもちろん、在日同胞をはじめ全世界の海外朝鮮公民もこの快挙に諸手をあげて支持賛同し、よろこびに沸いている。全世界もこの北南首脳会談を好感を持って歓迎し、その結果に惜しみない支持を表明している。

北南首脳の対面を心から喜ぶ在日同胞たち(6日、東京朝鮮文化会館で)

 また一つ、祖国の統一と朝鮮半島の平和と繁栄の前途に、光明と展望が大きく開かれた。

 7年前の、分断以来初めて実現した北南首脳会談は、夢かうつつか、まさに晴天のへきれき。あの時の驚きと感動はいまだ忘れることができない。

 半世紀以上にわたる北南分断の凍土が一瞬にして解け、民族統一の奔流が38度線の厚い壁をうち破る感を呈した。「6.15精神」「わが民族同士」の旗印のもと、祖国統一運動のよりいっそうの盛りあがり、北南朝鮮の共存共栄の道程の確実な前進と拡大、それらの成果のうえに今度の北南首脳会談が実現し、さらなる飛躍的前進と確固不動の共同目標が約束された。

 今や、祖国統一の現実が目の前に近づいてきている。わが民族の歴史的宿願が実現しようとしているその瞬間に、私たちは生きている。なんと幸運なことであろうか。今日までいろいろと苦労と困難もあったが、がんばってきたかいがあったというものだ。

 ただし、忘れてはならないことが一つあるのではないだろうか。それは、祖国統一の曙光も見ずに逝った1世たちのことだ。日本の植民地支配下、生きる道を求めて玄界灘を渡って日本に来て、筆舌に尽せない苦労をし、やっと迎えた祖国解放の喜びもつかの間、植民地時代に劣らぬ差別と抑圧、人権無視の非人間的待遇の中をかろうじて生き抜き、それでも祖国統一の夢と希望を失わず、愛国組織、総連を結成し、民族学校を立ち上げ、在日同胞の生命財産を守り、祖国統一実現の途に一生を捧げた1世たち。

 今、われわれがあるのは、彼らのおかげではないだろうか。今日の感激と喜びを声高らかにうたうことができるのも、1世たちの命をかけたたたかいのおかげではないだろうか。そんな思いが心をよぎり、彼らの分まで声を大にして万歳を叫んだ。(崔鶴龍、大阪在住)

[朝鮮新報 2007.10.12]