「独自の制裁」の正体とは |
本紙の支局がある平壌ホテルは、祖国を訪問する在日同胞の宿泊先となっている。現在、ホテルは修学旅行で訪れた日本各地の朝鮮高級学校生徒や朝鮮大学校学生、同胞祖国訪問団などでごった返している。訪問団がかわるがわる出発してはほかの訪問団が入ってくる状況がずっと続いている。ホテルの空き部屋がなくなりほかの施設で過ごした訪問団も。 白頭山などの名所観光や市内見学、家族、親せきとの面会など、祖国で楽しいひと時を過ごしている同胞、生徒ら。だが、そのほとんどが祖国に来るまで不愉快な思いをさせられている。 成田空港での出入国手続きの際に職員に制止されて「北朝鮮への渡航を自粛するよう」書かれた印刷物を渡され、さらには一般人とは別の通用口を通される。そして過剰な荷物検査。多くの同胞たちが不快感を示していた。ある同胞女性は、財布の中まで一つひとつ見られたという。 気の毒なのは、体の不自由な高齢者が祖国にいる子息、孫に会えないことだ。高齢者にとって第3国を経由する飛行機は不便で、船便でなければ祖国を訪問できないケースが多々ある。記者も日本を発つ際、「万景峰92」号の運航が再開され次第行く、早く会いたい、連絡を取りたい、というメッセージを祖国の親せきに伝えるよう3件頼まれた。現在、祖国訪問中の同胞らの中にも、来たくても来られない身内を持つ人がたくさんいる。 日本当局の「独自の制裁」というものがいったい何なのかをあらためて思う。(姜) [朝鮮新報 2007.7.30] |