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そこが知りたいQ&A−総連第21回全体大会が開かれたが

在日同胞民族圏の拡大を組織あげて

 総連第21回全体大会が5月25、26の両日、東京朝鮮文化会館(東京都北区)で行われた。6者会談における朝米の歩み寄りをはじめ、朝鮮半島を取り巻く情勢が好転する一方で、日本当局による総連と在日同胞に対する政治弾圧、人権侵害が続く情勢のなかで開かれたとあって、内外の関心も高かった。今大会で何が話し合われ、何が決まったのか。

 Q 総連第21回全体大会では何が話し合われたのか。

 A 大会では、@総連第21回全体大会報告A財政決算および予算案審議B規約の一部改正C中央機関の役員選挙−の4つが話し合われた。このうち重点が置かれたのは、第1議題の21全大会報告に関してだ。

 報告の体系は大きく分けて、20全大会以降の総括と今後3年間に力を入れる課題となっている。この報告に基づき、14人の代議員が討論したほか、8つの単位のビデオ討論と紹介があった。討論では、拉致問題を口実に日本当局が総連組織と在日同胞に対して常軌を逸した政治弾圧を展開するなかで、斬新な発想と何事にも屈しない強い精神力で総連組織と在日同胞の生活を守り発展させてきた経験と教訓について語られた。

 Q 報告で明らかにされた課題は何か。

 A @「同胞再発掘運動」を組織をあげて展開するA民族性を守り、同胞の生活上の権益を擁護するB総連と在日同胞に対する不当な政治弾圧に反対してたたかうC祖国の統一と繁栄に貢献するD日本市民との親善、連帯を強化するE総連組織を強化する−の6項目。

大会では今後3年間で取り組むべき課題が示された

 教育文化事業と同胞生活奉仕、福祉活動を恒久的な2大中心柱に据えながら教育文化、福祉、経済分野に至る生活領域を含む同胞連携網を形成し、新しい世代をはじめとする各界各層の在日同胞を幅広く網羅した、民族的に団結する汎同胞圏を築くことが最重要課題として示された。

 報告では、安倍政権発足後、総連と在日同胞に対する前代未聞の政治弾圧が敢行されるなか、状況がとても深刻になりつつあることが指摘され、その結果生じた反省点について率直に言及された。

 そのうえで、このような事実は総連がこんにちの現実に対処した打開策を講じて難関を克服しないことには、先代が築き上げた愛族愛国の伝統と業績をさらに輝かせ、在日朝鮮人運動を新しい段階へと発展させることが困難になると強調された。

 Q 組織機構が一部改正されたが。

 A 同胞生活局、女性局、文化局がなくなり、民族圏委員会、権利福祉委員会、宣伝広報局が新たに設けられたほか、国際局と統一運動局が合併された。

 先にも述べたが、今後3年間の課題のなかでも、「同胞再発掘運動」を推し進めることが最優先課題とされた。そのために、活動方法を同胞中心、生活密着型に転換するとともに、活動の幅を広げ総連傘下の同胞だけでなく、民団、未組織、帰化した同胞までをも同胞民族圏に網羅していくことが強調された。

 幅広い同胞を網羅するうえで、生活上の権益を守ることは基本的な活動であり、総連はこれまで一貫してその活動を推し進めてきた。こうした活動をさらに強化する目的で新たな機構が設けられた。

 Q 今大会の意義は。

 A 報告では、今大会で示された課題はこんにちの難関に打ち勝ち、今後3年の間に新たな世紀の在日朝鮮人運動を飛躍させるための土台を築くうえで、必ず達成しなければならない重要な方針であると強調された。

 また、在日朝鮮人運動の歴史的過程とこんにち総連と在日同胞が置かれている状況から見ても、一心団結こそが何ものにも代えがたい唯一の力強い武器であることも強調された。「3.3同時行動」で示された総連と在日同胞の団結の力は、21全大会の課題を成し遂げていくうえで、かけがえのない力になるということが今大会であらためて確認された。(李松鶴記者)

[朝鮮新報 2007.5.30]