総連第21回全体大会報告(要旨) 総連中央議長 徐萬述 |
代議員のみなさん! 総連第21回全体大会は、金日成主席生誕95周年と金正日総書記の意義深い生誕節を記念した喜ばしい年に、祖国が新たな繁栄の年代を開き朝米、北南関係で転換的な局面が切り開かれている環境の中で行われている。 日本では、時代の流れに逆行して政府当局と右翼反動勢力が対朝鮮敵視政策に固執し、総連と在日同胞に対する政治的弾圧と民族的迫害、人権侵害行為を悪らつに敢行している。 われわれには、総連組織と同胞の生活と権利をしっかりと守りながら、愛族愛国運動を在日同胞社会の新たな状況に沿ってさらに発展させなければならないという、やりがいのある重大な使命がある。 われわれは今大会で、激動する情勢と在日朝鮮人運動の展望を確信を持って見越し、20期事業の成果に基づいて新世紀の総連事業の前途がかかっている21期事業期間に愛族愛国運動を新たな段階に押し上げるための確固とした土台を築くための運動方針を討議、決定する。 1.総連第20期事業総括 総連第20回全体大会は、金正日総書記が示した21世紀の在日朝鮮人運動の進路に沿って、民族性と同胞愛で団結した睦まじく豊かな力強い在日同胞社会を建設するための運動を本格化した歴史的な大会であった。 20全大会以後の3年間、祖国の情勢はまさに激動的だった。 金正日総書記は、金日成主席が開拓したチュチェ偉業を無敵必勝の先軍領導により輝かしく継承、完成へと導きながら祖国の地に強盛大国の黎明を招き、朝米対決と祖国統一偉業で相次ぎ世紀的な偉業を成し遂げた。 一方、アジア制覇という過去の夢にとらわれた日本政府と右翼反動は、朝鮮敵視政策を露骨にしながら総連をつぶそうと日増しに策動を繰り返した。 20期の総連事業は、総書記の指導に沿って一歩も退くことなく、内外の反動のあらゆる策動に打ち勝って総連組織を守り抜き、愛族愛国事業の発展を切り開いた不屈の闘争とたゆみない前進の3年間であった。 1)20期事業の成果は、総連が同胞を支持、信頼する愛族愛国の真の民族団体、同胞組織に発展させるうえで貴重な前進を成し遂げたことである 総括期間われわれは、総連は大衆が愛する組織となって各界各層の広範な同胞をさらに団結させなければならないという金正日総書記の教えに沿って、総連組織の面貌と活動方法を転換することに一貫した努力を傾けた。 われわれはそのために、民族的迫害と同化策動が付きまとう日本の地で、朝鮮人として安心してしっかりと暮らすことを望む同胞に奉仕することを本分とし、民族性を固守するための教育文化事業と生活奉仕、福祉活動を総連事業の恒久的な2大中心柱としてとらえ、ここに大きな力を集中させた。 (1)総連活動家は、金正日総書記に対する無限の忠実さを持った同胞の忠僕として、思想観点と仕事ぶりで転換を招き、総連の組織面貌を革新することにまず力を注いだ。 活動家の中で総書記の先軍領導の偉大性と祖国の展望、総連愛国偉業に対する確固とした信念を抱くようにする事業を不断に深めることにより、活動家の思想精神的風貌で大きな変化が起きた。 変化の中でももっとも貴重なのは、先軍領導で強盛大国建設の新たな段階と「第2の6.15時代」を切り開き、チュチェ朝鮮の権威と国力を核保有国という最上の地位に押し上げた総書記を仰ぎ、総書記だけいれば必ず勝利するという信念を生きた歴史的体験として抱くようになったことだ。 それとともにわれわれは、総連中央から本部と支部、団体の下部組織にいたるまで総書記の教えを一つの思想と政策、仕事ぶりで貫徹するという組織の上下団結をいつにもまして強固にした。 とくにわれわれは、総書記の支部重視思想に基づいて、同胞と直接触れる総連支部委員長らがつねに総連中央と決心も、呼吸も、行動も一つになるようにした。 支部委員長らの思想性と活動能力が高まるにつれ、支部の非専従役員と熱誠者の役割と責任感も高まり、朝青と青商会、女性同盟をはじめとする団体も支部重視思想の実践に合流するようになった。 総連支部が地域同胞社会の総合的な拠点として、同胞生活の保護者、幇助者としての機能と役割をさらに遂行することによって、同胞は総連事業に対する理解を深め、積極的に支持し、総連組織を信じて頼るようになった。 (2)教育文化事業と生活奉仕、福祉活動が愛族愛国事業の恒久的な2大中心柱として定着した。 @民族教育事業が全機関的、同胞的な事業として展開された。 各地の総連組織では、生徒受け入れ事業をはじめ朝鮮学校を守り発展させるための課題を常に中心にすえ、同胞大衆運動を力強く推し進めた。 朝鮮学校の学父母と同胞は、非常に厳しい経済状況下でも教育環境を整えて学校運営を支援し、教育補助金など教育権利を擁護、拡大するための事業に熱心に取り組んだほか、オモニ会とアボジ会、女性同盟と青商会は学校を守り発展させるうえで大きな役割を果たした。 また総括期間、初中高級学校の125点におよぶ教科書改編事業が完了したことは、新しい時代と同胞のニーズに沿って民族教育の質的水準を高め、生徒をさらに立派に教育、教養できる重要な担保になった。 日本学校に通う同胞子女のための準正規教育網である「民族学級」、土曜児童教室を増やし、総連が編さんした教科書で民族性を育むという新たな前進も成し遂げた。 朝鮮大学校は、同校の事業に民族教育と新世紀の在日朝鮮人運動の未来がかかっているとの総書記の教えに沿って、人材育成と民族教育の最高学府としての体貌をさらに整えるための事業で成果を上げて創立50周年を意義深く迎えた。 同校では、総書記が送ってくれた巨額の配慮金でコンピュータ視聴覚施設をはじめとする現代的な設備などで一新された図書館が創立50周年に際して開館したほか、卒業生らが基金運動を展開して大規模な工事を行い、大学の教育環境を改善することに貢献した。 Aわれわれは、同胞から民族性を奪い去って同化へと引き込み、総連事業を妨げる反動の策動がひどくなればなるほど、民族文化活動を活発に行った。 中央と地方では、同胞祝典をはじめとする文化スポーツ行事に延べ51万6000余人の同胞を網羅し、同胞社会を盛り上げた。 金剛山歌劇団は、日本反動による悪らつな妨害策動を退けながら、日本各地での公演に12万余人の内外からの観客を動員したほか、地方歌舞団は同胞たちの中で芸術公演を行うとともに街頭デモにも参加し、機動芸術宣伝隊として活躍した。 スポーツ組織は大衆スポーツ活動を活発に行い、朝鮮学校の生徒らが日本全国高等学校のサッカー、ラグビー、ボクシングなどのさまざまな公式大会に参加して、同胞たちに大きな喜びと誇りを与えた。 B同胞生活奉仕、福祉活動網が総連の全組織的な事業体系として整い、その役割が一段と高まった。 われわれは新潟中越地震が起きたとき、被害を受けた同胞のために10万ドルの救援金を送ってくれた総書記の配慮に鼓舞されながら、同胞の悩みと苦痛を和らげるための生活奉仕活動を地道に行った。 「同胞生活相談綜合センター」は、相続、婚姻をはじめとする法的、行政的手続きや社会保障と福祉制度の利用、就職と住宅入居などの相談案件を解決することによって生活を支援するとともに、情報紙を発刊、普及しながら自らの機能と役割を一段と高めた。 とくに、進む高齢社会に対応して通所介護事業所やデイハウスなどの現代的な福祉施設をはじめとするさまざまな形態の高齢同胞奉仕の場を設け、過去の5倍にあたる100カ所にまで増やした。 また、同胞有資格者、専門家との事業体系を強化するとともに、朝鮮大学校短期学部福祉専攻班の今年最初の卒業生たちのうち、介護福祉士の受験をした全員が資格を取得して、われわれの福祉施設で活動することになった。 Cわれわれは、日本の経済状況がとても厳しく弾圧と規制がさらに強まった中で、同胞商工人の経営支援をいっそう強化した。 商工会をはじめとする経済機関では、業種別会議や投資説明会、経験交換会、保険斡旋など経営を手助けする事業を積極的に組織し、経理や融資をはじめとする切実な問題を誠心誠意支援した。 商工連合会は、結成60周年記念海外同胞経済人フォーラムと祝賀宴を世界各国で活動する同胞経済人を招待して盛大に行い、民族経済網を拡大して愛国的商工人、進歩的商工人の気概と団結した力を内外に誇示した。 (3)同胞が総連をさらに信頼して愛し、団結する姿は総連の方針を遂行するための大衆運動で大きく誇示された。 2004年10月1日から総連結成50周年を目指して展開された「8カ月運動」は、20全大会が提示した新世紀の進路と同胞社会建設方針の執行において、最初の突破口を開いた大衆運動だった。 とくに2005年5月、東京で2万5000余人の老若男女の同胞たちで人山を築いた「総連結成50周年在日同胞大祝典」は、総連を自分たちの組織として愛し、代を継いで守りながら新世紀にも総連組織と愛族愛国の伝統と業績をさらに輝かせようという同胞たちの誇りと信心、民族性と同胞愛で団結した力を内外に大きく示した。 われわれはまた、中等教育実施60周年の2006年を、民族教育事業を中心に総連事業全般で新たな昂揚を起こす年と定め、すべての組織を大衆運動へと呼び起こした。 2006年10月、近畿地方の同胞は4.24教育闘争の歴史が刻まれた大阪で、一日中雨が降る中でも3万2000余人という最大動員数で「中等教育実施60周年在日同胞大祝典」を総連の周りに団結して民族の代、愛国の代を受け継ぐ在日同胞の一大民族教育文化祝典として開き、日本各地の朝鮮学校でも創立記念の集いを地域同胞社会の大きな慶事として盛大に祝った。 このように、総連が同胞たちに真心で奉仕して支持と信頼を受ける民族団体、同胞組織としての面貌を備えて成し遂げた成果は、総書記の崇高な愛族愛国の思想と指導が生んだ高貴な結実であり、総書記の綱領的な教えを具現した総連方針の正当性と生活力の明白な誇示になる。 2)成果は次に、不退転の大衆闘争で総連組織と愛族愛国の伝統と業績をしっかりと守ったことである (1)日本当局と右翼反動勢力は対朝鮮政策を圧力一辺倒へと転換し、その矛先を総連に向けて弾圧瓦解策動を段階的に強めた。 日本当局と右翼反動は、「法の厳格な適用」という狡猾な術策で弾圧の口実を作り出し、総連の機関と活動家、同胞に対する横暴な政治弾圧と人権蹂躙行為を敢行した。 彼らは、朝鮮が昨年7月のミサイル発射訓練に続き10月9日に核実験を成功させたことに対して、「万景峰92」号の入港禁止をはじめとする「対北朝鮮制裁圧力」騒動に血眼になって、総連に矛先を向けた策動を繰り返した。 とくに、安倍政府発足後、日本反動は拉致問題を前面に持ち出して社会に朝鮮と総連に対する殺伐とした悪感情を蔓延させ、何の関係もない活動家や同胞に罪なき罪を着せ、総連機関の事務所をファッショ的な強制捜索で踏みにじった。 (2)われわれは、日本反動による弾圧、迫害策動の凶悪な本質と企図を明らかにし、活動家と同胞を総連組織と愛族愛国の伝統と業績の固守、同胞の権利擁護のためのたたかいへと呼び起こした。 祖国では、外務省スポークスマン声明などを通じて日本反動を断固糾弾しながら、われわれのたたかいを全人民的に支援してくれたほか、国際世論を高める国家的措置も取ってくれた。 活動家と同胞は、これに大きく励まされながら日本反動の不当な策動を払いのけ、総連組織と愛族愛国の伝統と業績の固守、権利擁護のためのわれわれのたたかいが至極正当であり必ず勝利するという信念に燃えて大衆的に果敢に立ち上がった。 日本当局がいわゆる「拉致関連」容疑や「薬事法違反」「税理士法違反」をうんぬんしながら大阪と東京、兵庫、北海道の総連本部と商工会および団体、事業体の事務所、滋賀朝鮮初級学校を強制捜索したファッショ的暴挙に対し、兵庫県下の商工人をはじめとする各地の同胞は沸きあがる怒りを胸に大衆的なたたかいを頑強に展開した。 とくに、昨年12月1日から行われた総連第21回全体大会を輝かしく迎えるための「6カ月運動」に決起したすべての活動家と同胞は、いつにもなく激しい大衆闘争を繰り広げた。 朝青員と活動家、同胞らは、日本の国会前で「万景峰92」号の入港禁止措置の撤回を要求し、総連と同胞に対する弾圧と人権侵害、生徒に対する迫害行為を糾弾して座り込みと街頭宣伝活動を連日のように繰り広げた。このたたかいは全国に広がった。 (3)われわれは今年3月3日、総連活動家と同胞らの抗議集会とデモ行進を日本各地で同時に行う統一行動で行った。 この日、関東と各県の同胞らは、日比谷公園大音楽堂で「3.1人民蜂起88周年、日本当局の総連と在日同胞に対する不当な政治弾圧と人権侵害行為に反対、糾弾する在日本朝鮮人中央大会」を開催し、7000余人のデモ行進を行い、近畿と近隣の県の同胞らは神戸市中心地で5000余人の近畿地方大会とデモ行進を行ったほか、日本各地でもいっせいに群衆的なデモを行った。 「3月3日統一行動」を通じて、日本当局と右翼反動らの策動がいかに甚だしくても真向からたたかえば、総連と同胞社会を必ず固守できるという勝利の信心を総連活動家と同胞らの心に深く刻み、総連の強い組織力と団結力、闘争力を内外に大きく示した。 「3月3日統一行動」は、総連と同胞に対する極度に達した政治的弾圧暴挙と人権蹂躪蛮行により作り出された困難な形勢を主動的に打開し、全般事業を活性化していく転換的契機を開いた勝利のたたかいとして、総連の歴史に残るだろう。 安倍政権と警察当局は、厳しい状況を乗り越えていくわれわれのたたかいを封じ、21全大会を破綻させようと30数年前の出来事をもって新たに造作した「拉致事件」に総連組織を全面的に結びつけようとする陰険で凶悪な企図のもと、4月25日に留学同中央と朝鮮問題研究所を強制捜索し、ここに総連中央を巻きこむ許しがたい言論テロまで行った。 このファッショ的暴挙と謀略策動の本質を看破したわれわれは、その企図に強い打撃を加え断つために、警視庁をはじめ警察当局と読売新聞社に対して連日、一大抗議を行った。 総連活動家と同胞は5月2日に大会を開き、安倍政権と警察当局のファッショ的暴挙と言論テロを沸きあがる民族的憤怒で断固と断罪糾弾し、3月3日の大衆的闘争に続き、21全大会を必ずや勝利と団結で輝かしく迎えようとする意志と闘争気勢を大きく示した。 3)総連は祖国統一と隆盛繁栄に特色有る寄与をする事業と対外活動を絶え間なく前進させてきた (1)われわれは金正日総書記が切り開いた「第2の6.15時代」の要求に沿って、祖国統一運動と民族団結事業を強化するため積極的に活動した。 総連は「わが民族同士」の時代が生んだ全民族的統一運動連帯機構である「6.15民族共同委員会」のメンバーとして、北と南、海外の連帯、連合を強化するのに寄与し、祖国統一の新たな段階を切り開く挙族的運動に合流した。 また、南朝鮮の政党人士らと各階層統一運動団体との連携を深めた。南朝鮮社会では日本当局の総連組織と朝鮮学校、在日同胞に対する不当な政治弾圧と人権侵害行為を暴露糾弾し、われわれを支援する世論が高まった。 総連中央と民団中央は会談を行い、内外の大きな支持と歓迎のもと「総連、民団5.17共同声明」を発表し、在日同胞の統一志向と団結の念願を踏みにじり、これを白紙化した民団の一部悪質幹部を指弾しながら、「わが民族同士」の理念に沿って民族団結事業をたゆまず推進した。 (2)総連は内外反動の朝鮮制裁策動と、日本の困難な経済状況下でも祖国を愛し、擁護し、強盛大国建設に寄与してきた。 総連は活動家と同胞らの愛国熱意を集め、祖国の農業部門に対する支援と総連愛国林造成事業、人民生活向上のための事業に大きな力を傾けた。 祖国で大雨被害が発生したときには、熱い同胞愛で募金運動を行い、祖国の人民を肉親の情を抱いて支援し、被害復旧に貢献した。 (3)総連は激動する情勢、極度に険悪になった日本の政治社会環境の中で対外活動を絶え間なく力強く繰り広げた。 われわれは、日本反動らの悪らつな反朝鮮、反総連制裁と世論操作に立ち向かい、記者会見とメディアとの事業を行って、随時その不当性を明らかにし、峻烈に抗議、糾弾する対外政治宣伝事業を展開した。 これとともに、広範な日本の良心的人士らとの事業を繰り広げ、われわれを支援し連帯闘争を行ってくれるようにし、地域単位の対外活動を活発に行って民族教育事業と同胞の権利擁護のための行事を数多く行い、日本の政界と言論界、労働界、社会界から支持者、同情者を得た。 また、国連人権理事会をはじめ国際的な場に総連代表を送り、総連の正義の闘争を支持声援する世論を高めた。 われわれが度重なる試練の中でも常に勝利を確信し、愛族愛国運動を力強く前進させることができたのは、輝かしい英知と恩情深い愛の手で総連と在日同胞を導いてくれた総書記の卓越した領導と厚い配慮があったからだ。 また成果のひとつひとつには、総連活動家と商工人、新しい世代をはじめ同胞たちの暖かい愛族愛国の気持ちと献身的な努力が込められている。 私は、総書記の崇高な志を掲げ、総連20期事業を厳しい試練に打ち勝った勝利と団結の3年として誇り高く飾った代議員のみなさんと日本各地のすべての総連活動家、同胞に熱烈な敬意を送る。 私はまた、わが総連と在日同胞を心から支持声援し、固い連帯を示してくれた祖国の人民と南朝鮮の統一運動団体と人士ら、海外僑胞団体、国際機構に深い謝意を表する。 総括期間、日本反動らのファッショ的弾圧に不屈の信念で立ち向かいたたかいながら、獄中で犠牲となった共和国労働英雄の康永官同志と最高人民会議代議員だった朝鮮大学校前学長・南時雨同志をはじめ貴い同志らと愛国的同胞らが永眠した。 私は、聖なる総連の愛族愛国偉業に生涯を捧げた愛国闘士らを敬虔な気持ちで追慕し、故人の遺族らに深甚なあいさつを送る。 われわれは総括期間に貴重な成果を遂げたが、20全大会の決定を執行するうえで未解決の問題も残った。 情勢が激動し環境が難しいときほど、「以民為天」の崇高な志どおりに透徹な同胞観をもって同胞の中にさらに入って、同胞らが抱いている悩みや苦痛を拭い、解いてあげることに献身すべきであったが、活動家らは同胞の中に深く、幅広く入ることができなかった。 そして、反動らの悪宣伝と威嚇、懐柔によって祖国と組織を遠ざける同胞が出てきたことについて責任を感じずにはいられない。 また、世代交替の現実の中で新しい世代の同胞との事業を担う新しい世代の活動家を頼もしく育成、準備しなければ、先代の伝統と業績の継承が困難に直面することになるということについても深刻に振り返っている。 われわれは、貴重な新しい世代の活動家らがひとりも落伍することなく最後まで愛国活動家として進むようその事業と生活を面倒みなければならない責任と義務をまっとうできず、その結果、少なくない新しい世代の活動家らが専従活動を辞めた。 同胞社会と愛族愛国運動の前途と関連する根本問題である民族性固守のための事業も、要求水準にいたらず、総連同胞らの間に民族性喪失現象が増えた。 民族文化運動も新しい世代の志向に合い、幅広く参加できるよう組織されず、朝鮮学校卒業生の中には歳月の流れとともに朝鮮語を話せなくなり、とくに国際結婚の現象を食い止められていない。 このような問題点は、わが組織全般に現れた欠陥になっている。 われわれはこのような欠陥をこれ以上持続してはならず、すばやく対策を講じ、21期事業で必ず解決する。 2.3年間の主課題について 代議員のみなさん! 総書記が導く朝米対決の勝利的な前進とチュチェ朝鮮に広がる新しい繁栄の年代は総連と同胞社会、愛族愛国運動の前途に希望に満ちた展望を開いている。 総連が富強統一祖国の未来を確信をもって見つめ、在日朝鮮人運動を主動的に繰り広げるためには、主体力量をさらに力強く固め、新世紀の愛族愛国運動の土台をしっかり築かなければならない。 こんにち、在日同胞社会を直視するとき、敗戦後60余年間、朝鮮敵視政策と在日朝鮮人差別策動を行ってきた日本が安倍政権になり反朝鮮策動を絶頂に至らしめ、総連と在日同胞に対する前代未聞の政治弾圧を行う中で、状況は非常に深刻になっている。 何よりも日本当局の狡猾な同化策動と日本社会の朝鮮人排他風潮の中で、同胞らの帰化と国際結婚が増え、少子化も重なり在日同胞数は縮小の傾向にある。 また、日本社会の格差化に加え、民族的差別が加重される中で同胞商工人らは厳しい経営難に陥り、同胞らの生活は困窮している。 このような事実は、総連がこんにちの現実に対処する打開策を立てて打ち破っていかなければ先代が成し遂げた愛族愛国の伝統と業績を輝かせ、在日朝鮮人運動を新しい段階に発展させることは難しいということを示している。 総書記は、総連は日増しに増える帰化現象と国際結婚を防ぎ、日本で同胞社会と朝鮮民族を守るためのたたかいを強く繰り広げていかなければならないと述べた。 また、同胞商工人らは内外の情勢が複雑で日本の経済環境が困難でも、気持ちを一つにして、当然まっとうすべき企業権をしっかり行使し、商企業活動を力強く繰り広げていかねばならないと述べた。 われわれは現実にしっかり根付き、教育文化事業と同胞生活奉仕、福祉活動を恒久的な2大中心柱に確固と据えながら、日本で民族性と同胞社会を守り、総連を各界各層同胞の中により深く根付いた愛族愛国の真の民族団体、幅広い同胞団体としていっそう強化発展させていく。 これに向けて総連は、第21期事業の中心を総書記の綱領的な教えをより徹底して貫徹することによって在日同胞民族圏を堅固に守り、新世紀の愛族愛国運動の土台を構築、拡大していくことに置く。 1)「同胞再発掘運動」を全組織的に行うことについて (1)総連は「同胞再発掘運動」を、在日同胞民族圏をしっかりと守り新世紀の愛族愛国運動の土台を構築するための戦略的な運動として強力に行っていく。 われわれが守っていく在日同胞民族圏は、教育文化、福祉、経済分野にいたる生活領域を包括した同胞連携網を形成し、ここに新しい世代をはじめ一つの血筋を継ぐ各界各層の在日同胞らを幅広く網羅し民族的に団結していく汎同胞圏だ。 総連の歴史がそのまま示しているように、総連事業と在日朝鮮人運動は本質において、人との事業、日本で分散して暮らしている同胞らを訪ね網羅する事業であり、総連は去る期間、金日成主席の教えを掲げ、「朝鮮人再発掘運動」をたゆまず繰り広げてきた。 今回提起する「同胞再発掘運動」は、既に成し遂げた伝統と経験をふまえ、変化した環境と同胞社会の実情に合わせて金正日総書記の綱領的な教えを貫徹し、在日同胞民族圏と愛族愛国力量を拡大するための運動であり、「朝鮮人再発掘運動」の進化発展、新たな高い段階となる。 こんにち、日本の右翼反動らが総連に対する政治的弾圧企図を露骨化させ、同胞社会自体をなくそうと悪らつに策動している現状は、さまざまな事情で総連組織と愛族愛国事業との連携が遠くなったり、帰化や国際結婚をした同胞にまで事業対象を広げ、同胞民族圏に網羅することを切実に要求している。 われわれは切実な要求に沿って、事業方法を徹底的に同胞中心、生活密着に転換し、事業の種類をより多く打ち出し、総連傘下の同胞だけでなく、民団、未組織、帰化した同胞にいたるまで同胞民族圏に網羅し、睦まじく団結した同胞社会を築き、愛族愛国の道に進むよう導かねばならない。 総連は真の民族団体、幅広い同胞組織としての本分と任務を深く認識し、「同胞再発掘運動」を思想と政見、国籍と所属団体に関係なく在日同胞であれば誰もが和解と協力、団結を実現することができるという原則で、ともに手をつなぎ進む汎民族的な同胞大衆運動を繰り広げていく。 (2)各級組織は「同胞再発掘運動」をすべての愛族愛国活動において終始一貫する基本運動として徹底的に先行させる。 各級組織は、「同胞再発掘運動」の3年間目標を立て、年度計画に沿って年間を通じた運動として推進していく。 総連中央は「同胞再発掘運動」を中心に在日同胞民族圏を守り、拡大するための大衆運動を力強く行うための組織的態勢を整える。 そうして、「同胞再発掘運動」を統一的に掌握指導し、手本を作って一般化する事業と同胞らの居住地移動をはじめとする動向を総合、通報する事業をはじめ、中央から本部、支部にいたる全組織的な事業体系を構築する。 われわれは同胞訪問事業を、総連の各級機関とすべての団体、事業体の活動力量を総動員した運動として力強く繰り広げていく。 本部は運動を機関的な事業として強く取り組み、管下の全活動家と顧問ら、熱誠同胞らを総発動させる。 また、日本の行政との事業をはじめ、あらゆる方法と手段を尽くし、地域に住む各階層の同胞をもれなく掌握し、連携がなかった同胞に対する訪問事業をいっせいに行う。 朝鮮大学校同窓会をはじめ各級学校同窓会組織は、卒業生名簿に従って同窓生の再発掘を力強く行っていく。 朝青、青商会、留学同は新しい世代の耳目と興味をひく事業と集いをたくさん企画し、インターネットなど最新情報通信手段を利用して同胞青年学生を探し出し、民族圏連携網に網羅していく。 総連活動家は同胞の中に入って事業することを基本活動方式として徹底的に確立し、新しい模範を多く創造していく。 (3)「同胞再発掘運動」を民族性の教養過程で行い、大衆文化運動と結びつけ、その幅を最大限広げていく。 われわれはなによりも、新しい世代の青年をはじめとする各階層の広範な同胞に民族自主意識を与えていく運動をたゆまず推進していく。 これに向けて、過去の歴史学習と強制連行真相調査事業と結びつけ、同胞社会の歴史の根っこを知るようにし、祖国の現実と統一の展望、愛族愛国運動の未来に対する確信を持つよう解説宣伝事業を積極的に行っていく。 われわれは、「民族文化センター」を民族性教養と民族文化運動の地域的拠点、地域ブロック別に構え、朝鮮語教室をはじめ民族文化教室と文芸スポーツサークルをさらに増やし、再発掘した同胞を積極的に網羅する。 また、連携を結んだ同胞を総連の基層組織と奉仕事業、親ぼく行事など多様な場にもれなく網羅する。 金剛山歌劇団は本公演をはじめ大小規模の公演回数をさらに増やし、地方歌舞団も活動をより活性化させる。 作家芸術人らは、「同胞再発掘運動」を推し動かす作品を旺盛に創作普及し、体連をはじめとする体育組織は大衆体育の場を多く組織し、同胞の中に民族的誇りと団結の気風を高める。 総連は、さまざまな地域で行っている祝祭を定例化することで、老若男女の同胞が楽しみ自ら集まる場を斬新に組織する。 総連本部は、同胞祝祭を学校を拠点に年中行事として企画し、数年に一度は近隣の県と合同ですべての在日同胞と日本の住民らも参加する大規模の民族祝祭として組織し、朝・日親善活動も同時に行っていく。 2)民族性の固守、同胞たちの生活上の権益擁護と安定のために (1)在日朝鮮人運動の生命線である民族教育事業を強化発展させるために最も大きな力を注いでいく。 今年4月、われわれは、金日成主席と金正日総書記が在日同胞子女らのために教育援助費および奨学金を贈ってくれたときから50周年を迎え、これを記念した。われわれは、これからも民族教育史に刻まれた祖国の指導と愛を胸の奥深くに抱きながら、必ずや朝鮮学校を守り、民族教育を強化発展させていく。 いま、民族教育を守り発展させていくうえにおいて提起される何よりも重要な課題は、朝鮮学校の生徒数を増やすことだ。 われわれは、総連と商工会、女性同盟、青商会をはじめとするすべての組織が力を合わせ、学区制管下の学齢児童と学齢前の児童らをすべて把握し、その年の入学対象との事業を、年間を通して絶えず繰り広げるだけでなく、生徒を受け入れる事業を多年間事業として計画的に進めていく。 われわれはとくに、「同胞再発掘運動」を通して知り合った同胞たち、帰化した同胞および国際結婚をした同胞たちも積極的に訪ね、より多くの同胞子女らを朝鮮学校へ新入生、編入生として受け入れて、日本学校への転校生が出ないようにする。 また、現在42カ所で運営している幼稚班により多くの園児たちを受け入れ、まだ幼稚班を運営できずにいる初級学校では、すべての可能性を見出して幼稚班を併設する。 各級学校においては、新しい教科書が実を結ぶよう、教員たちの資質向上に力を注ぎながら、教種別特性に沿って教育内容と方法を絶え間なく改善し、民族科目と民族性の教養を基本におきながら、国際化と情報化時代の要求に相応しい教育を実施し、その実効性を決定的に高め、生徒たちの進学と進路を責任をもって指導する。 各級学校の教育会は、役割をさらに高め、オモニ会、アボジ会をはじめとする広範な同胞たちの力を集め、「学校を愛する一口運動」とさまざまな形態の民族教育支援事業をより力強く繰り広げていく。 総連は、日本当局が一部の外国人学校だけに認めている、税制上の優待制度である指定寄付金と特定公益増進法人制度を朝鮮学校にも適用するようにする教育権拡大活動を力強く繰り広げていく。 また、日本の地方行政が朝鮮学校に出している教育補助金を日本の私立学校の水準まで引き上げるための補助金増額運動を全同胞的に展開していく。 われわれは、各級学校学区内学齢同胞子女たちの増減状況などを分析しながら、朝鮮学校を編成する対策を展望性をもって立てる。 総連は、準正規教育網を拡大するために組織的な力を注ぎ、同胞らが多く居住する都市において「民族学級」を積極的に増やし、支部に土曜児童教室、補助班を設けることによって、日本学校に通う同胞子女たちをより多く網羅できるようにしていく。 そうして、朝鮮学校と準正規教育網にすでに38%の初級学校の年齢の児童を網羅した成果と経験に基づき、この網羅率をさらに高めていく。 朝鮮大学校は、新世紀総連事業と在日朝鮮人運動のために担った役割と使命を深く刻み、創立50周年事業で達成した成果を強固にして、大学全般の事業を新たな発展段階へと高めていく。 大学校においては、教職員および学生たちが総書記の指導の偉大性に対する信念、祖国の富強統一偉業と総連の愛族愛国偉業に対する信念であふれるようにし、教育における政治思想的、科学理論的水準を決定的に高めていく。 そうして、総連事業の新たな発展段階と力強い在日同胞社会を頼もしく担う組織活動家たちと教員たち、各分野の民族人材を立派に育成し、国際化の時代的趨勢に適応した実績をもって、朝鮮の海外民族大学としての権威と役割を高めていく。 (2)同胞たちの生活上の権益擁護と安定を保障するための事業により大きな力を注いでいく。 異国の地での苦労のうえに類例なく険悪化した環境の中で、同胞たちが苛まれている生活上の悩みと苦痛を解決し、和らげ、日本当局から当然の権益を保障されるようにすることは総連の民族的義務であり、いつにもまして切迫した課題だ。 総連は、同胞高齢者、障がい者に対する年金をはじめとする、日本当局が在日同胞たちを生活保障などの社会制度から差別する不当な処置を是正させるための事業を引き続き力強く繰り広げていく。 こんにち、日本が超高齢化社会になった現実の中で、高齢同胞の老後生活と介護問題が日を追うごとに切実な同胞社会的な課題として提起されている。 総連は、同胞高齢者たちを同胞愛をもって誠実に面倒をみ、老父母を抱えた新しい世代の家庭の介護における悩みと負担を解いてあげることにより大きな力を注いでいく。 そのために、すでに蓄積された成果と経験に基づいて、日本の介護保険法に沿った通所介護施設などを倍加し、それらを含めた各種福祉施設を現在の100カ所から150カ所に拡大し、介護予防事業をはじめとする多様な活動を繰り広げていく。 また、同胞社会の実情に沿って、高齢同胞入所施設の設立のための事業を引き続き推進していく。 われわれは、「同胞生活相談綜合センター」が同胞たちの間で提起される相談を解決し、要求を充足させ、実質的に助けてあげられるよう、事業体系と事業方法を改善して発展させていく。 すべての支部は、同胞たちが生活のうえで提起する悩みを把握する窓口としての役割を決定的に高め、誠心誠意、解決に努め、生活情報誌をより多く発行、普及していく。 支部単独で多様かつ専門的な相談案件を解決することが難しい現状の中で、大きな本部は学区単位をはじめとした支部合同で、中小の本部は本部単位および数カ所の本部が合同して生活相談事業単位を区域化、ブロック化し、専門化水準を高めていく。 区域とブロックには、相談案件の綜合対策樹立の拠点センターを置き、人権協会との連携を強化しながら、弁護士をはじめとする専門家、資格所有者などでメンバーを編成し、案件を解決し、本部単位では相談事業全般を統括推進するようにする。 生活相談綜合センターと高齢者福祉施設は、NPO法人化を促進し、取得単位を拡大することによって、奉仕活動の実効性と公益性を決定的に高めていく。 われわれは、同胞障がい者たちを肉親の情をもって助ける事業を組織的、同胞社会的な関心の中で進めていく。 こんにち、少なくない同胞たちは、失業したり就職が難しかったりという、厳しい状況におかれている。 すべての組織は、同胞生活奉仕活動において就職問題をいつになく重視し、その解決のために真摯な努力を傾けていく。 総連本部は、近隣都道府県との連携のもと、管下生活相談綜合センターを空間とし、商工会、青商会をはじめとする各団体組織らがともに協力し、同胞たちの求職希望と同胞企業および日本企業の求人情報を正常に収集、紹介し、就職を斡旋するシステムを樹立する。 総連中央は、各地方の求職、求人情報と就職斡旋活動を綜合し、就職情報誌とインターネットサイトを活用、紹介し、朝鮮新報をはじめとする総連の機関紙および機関誌において、同胞たちの経済生活圏に沿った地方別就職情報を定期的に掲載し、就職活動を支援していく。 (3)総連は、経済機関の役割を決定的に高め、同胞商工人たちの利益をはかる。 いま日本の経済環境は、熾烈な市場獲得競争と二極化などによって本格的な格差社会が到来し、大企業などとは違って圧倒的多数を占める中小企業がより厳しい経営状態に陥っている。 それによって同胞商工人たちは、日本の企業よりも経営基盤が零細なだけでなく、日本当局による政治的弾圧と金融差別のために、企業活動がひどく制約され、資金難と人材難による倒産および廃業を免れない深刻な状況に置かれている。 このような実情は、総連と経済機関が同胞商工人に対する実態分析に基づいた組織的な対策を徹底的に講じるだけでなく、こんにちの経営難打開の活路を切り開き、彼らの企業を守り、発展させるよう助けていくことを切実に要求している。 総連は、同胞商工人らがこんにちの難関に打ち勝つため、祖国の強盛大国の黎明と愛族愛国偉業の正当性に対する信心を堅持し、団結と連帯をさらに強化し、企業権擁護と経済活動において相互扶助の精神を発揮するようにする。 商工会は、日本の環境変化と同胞商工人たちのさらなる多様な要求に合うように、経営支援体制を再整備し、同胞たちが主に従事する業種と新たに進出する業種の情報交換システムと業種別組織を作り出すことによって、同業者間の連携を深め企業ネットワークを構築し、商工人たちに実質的な手助けができるようにする。 同時に、商工人たちの企業活動を手助けするための経理事業水準をさらに専門的に高め、同胞税理士をはじめとする専門家との連携をいっそう深めていく。 また、1世商工人たちが築き上げた祖国との合営合作、経済交流事業を展望性をもって発展させるようにし、中国をはじめとする各国への海外進出と新しい世代の商工人のための業種開拓、起業創出を積極的に助ける。 商工人をはじめとする同胞たちは、同胞信用組合の経営基盤安定化のために預金拡大運動に積極的に呼応し、民族金融機関の強化に貢献する。 金剛保険は、活動家たちを保険専門家としてさらに育成し、同胞に対する奉仕性を高め、保険的権益を守っていく。 (4)総連は「同胞再発掘運動」において民族結婚問題を重要な目標として掲げ、「民族結婚成就活動」を全組織的、同胞社会的に繰り広げていく。 同胞同士の結婚を成就させることは、同胞家庭と同胞社会において民族の代を継いでいく原点となる大事であり、国際結婚が日を追うごとに増える現状を防ぐためには後回しできない切迫した問題だ。 総連は、本部と支部、新しい世代団体をはじめとするすべての組織で、同胞家庭と同胞社会的に民族結婚を奨励する雰囲気を大きく造成し、未婚男女同胞たちを把握し、いろいろな形態の同胞の集いを彼らの出会いの場として意識的に数多く企画していく。 朝鮮学校、とくに高級学校と朝鮮大学校、留学同においては学生たちの年齢的特性に沿って、正しい結婚観を持つようにする教養事業を体系的に進めていく。 とくに朝青は、同盟員たちはもちろん、民団、未組織、日本学校に通う同胞青年学生までも対象とし、民族結婚の成就を同盟の中心課題として打ち立て、同胞青年たちと同胞家庭、同胞社会の明日のために担った自らの使命と責任を果たしていく。 総連は、今までの結婚相談所事業体系を発展的に転換し、中央と地域における事業を改善整備し、地方単位ブロックセンターの機能と役割を高め、全組織的な力量を発動し成婚率を決定的に高めていく。 (5)「子育て支援活動」を全組織的な関心の中で繰り広げていく。 日本各地に分散して暮らしながら民族差別と経済的困難を背負っている新しい世代の家庭では、子どもを産んで育てることにおいて、従来とは違う苦心と苦労に直面している。 総連は、すでに行っている「オンマとオリニの集い」「幼児教室」をはじめとする多様な場所をさらに活性化し、幼稚班を通した子育て支援を力強く繰り広げていく。 総連は、女性同盟組織と広範な同胞たちを積極的に発動し、子育てのための地域的支援体系を設けて、関東と近畿地方をはじめとする同胞数の多い地域では、さまざまな形態の保育の場を設け、総連機関と学校を利用した「学童保育」「夏(冬、春)休み保育」を運営していく。 総連は、広範な同胞たちの力を結集し、子育てを経済的に手助けする事業も研究し、実施していく。 3)総連と在日同胞に対する不当な政治弾圧に反対したたかうことについて こんにち、日本の現政権は政治的目的をもって国家権力をすべて発動し、総連のすべての活動と同胞生活領域の全般にわたって暴悪な弾圧策動を行っている。 このような状況は、日本当局と右翼反動勢力の策動に反対するたたかいなくしては、民族教育と同胞の生活と権利を擁護する事業と祖国統一のための事業、対外活動にいたるすべての事業を前進させることができないということを示している。 総連活動家と同胞は団結し、総連と在日同胞に対する不当な政治的弾圧と民族的差別、人権侵害行為を絶対に許さないという断固とした立場でたたかう。 われわれは、さる3月3日の統一行動をはじめとする大衆的闘争の成果と経験を押し固め、日本政府と警察当局による政治弾圧と総連のイメージを棄損させる言論暴力に対しては、全同胞的に抗議糾弾するたたかいを中断なく強く展開していく。 また、中央と地方において日本の政党、社会団体と人士たちとさらに積極的に手を取り合い取り組んで、日本当局のファッショ的暴挙を記者会見などの方法と手段すべてを発動して暴露し、その不法性に対しては法的闘争も繰り広げ、断固として断罪糾弾する。 総連は、国連人権理事会をはじめとする国際会議で、日本当局と右翼反動らの弾圧と人権侵害状況を告発していく。 われわれは、朝鮮に対する日本の「独自の制裁措置」を2007年10月まで延長した安倍政権の卑劣な朝鮮対決政策を糾弾し、とくに「万景峰92」号の入港禁止制裁措置を撤回させるための全同胞的なたたかいを強く繰り広げる。 4)祖国の統一と富強繁栄に寄与するために (1)総連は民族最大の宿願である祖国の統一を早めるための運動をさらに力強く繰り広げていく。 総連は、6.15共同宣言実践・日本地域委員会と海外側委員会を強化させることの先頭に立ち、民族重視、平和守護、団結実現の3大愛国課題実践で積極的な役割を担当遂行する。 また、南朝鮮の団体と人士との交流、青年学生、女性、文化人をはじめとする階層別の連帯を強化することによって、「わが民族同士」の旗印のもと、6.15支持勢力の大団結を成し遂げることに役割を果たし、総連に対する日本当局の弾圧策動に反対する世論をさらに大きく作りあげていく。 総連は「総連、民団5.17共同声明」で明らかにした和解と団結の精神を変わりなく固守し、韓統連と民団をはじめとする各界各層の在日同胞の間で民族団結事業を幅広く成し遂げる。 そうして、わが民族の魂と血を持つひとなら誰でも全民族とともに、6.15統一時代の大きな流れに合流できるよう全力を尽くす。 (2)総連は強盛大国に向かう祖国の富強発展に特色ある寄与をしていく。 われわれは、日本当局の朝鮮敵視策動を民族的怒りで反対排撃し、祖国を擁護し、日本当局がいくら祖国に向かう歩みを遮断しようとしても、新しい世代をはじめとする広範な同胞たちがさらに多く朝鮮を訪問するようにする。 総連は良い時も困難なときも、祖国を支えてきた同胞たちの愛国心を集め、祖国の農業分野に対する支援と山林造成事業、科学技術発展に寄与する事業を活発に繰り広げる。 本部をはじめとする各級機関は、祖国を愛する心と自らの地方の特徴を生かした創造性を発揮し、祖国のためにやりがいをもって寄与していく。 5)日本人との親善連帯のために 朝鮮と総連を敵視する日本当局の不当な政策と行為を撤回させ、各階層の日本人民との友好親善を強化することは、総連に課されたとても重要な課題だ。 総連は朝米関係改善と朝鮮半島非核化のための対話の流れに逆行して、日本当局が引き続き実施している制裁措置の不当性を徹底的に暴露宣伝し、朝・日平壌宣言に沿って日本軍「慰安婦」、強制連行など、過去に犯した犯罪の清算と朝・日関係の改善を促す社会的世論を高めていく。 われわれは、日本の政界、言論界、労働界など、各界人士と地方公共団体、市民団体との連携と交流をいっそう強化し、支持者、同情者の勢力を再構築して、在日同胞たちの民族的権益と朝・日友好親善のために繰り広げている総連の正当な活動に対する支持と連帯の声を幅広く促していく。 そのために、中央と地方、地域単位で各層別に対外宣伝と団体訪問、各種集会とシンポジウム、親善交流会などに積極的に取り組み、対外活動を全機関的で全同胞的な運動として活発に繰り広げていく。 6)総連組織を愛族愛国事業の新たな段階の要求に合わせ強化することについて 21期に力を注ぐ課題はとてもぼう大だが、情勢が激動すればするほどさらにあがく反動らとの先鋭な対決の中で勝ち取らなければならない闘争課題であり、3年間で必ずや達成すべき、総連と同胞社会の前途を左右する重要な運動目標だ。 われわれは、このような高い要求性に合わせて総連組織をしっかりと築き、力量を強化することに21期事業の勝利的前進の決定的担保があるという固い決心のもと、課題の遂行に総力を傾ける。 (1)宣伝教養事業を決定的に改善強化する。 総連の歴史的教訓と近年に結成以来の過酷な闘争経験が立証しているように、総連事業は内外の敵の反動的思想攻勢を突破していく活動家と同胞たちの愛族愛国思想の威力によって推進されていく。 総連は、活動家と同胞たちの中で総書記の偉大性と総連偉業の正当性、主体的な情勢観に対する教養事業と各界各層の同胞たちを在日同胞民族圏に網羅する幅広い宣伝広報活動を決定的に強化する。 そのために、中央と本部、支部に至るまで宣伝広報システムとこれを担保する力量を築き、活動家と同胞たちの中で学習と講演、解説宣伝事業に絶え間なく取り組んでいく。 すべての組織は朝鮮新報をはじめ、われわれの出版物を有力な宣伝手段として普及、活用する事業に機関的な力を入れて読者数を画期的に増やす。 また、中央と各級組織のインターネットホームページをはじめ最新情報通信手段をさらに豊富化、活性化し、同胞民族圏の新たな総合的な宣伝広報網を形成する。 とくに、新しい世代を主な対象として広範な同胞にわれわれの正確な情報と正当な主張をその都度広く知らせる電子メール連絡システムと携帯電話用の情報提供サイトなども新たに設ける。 (2)総連各級機関の役割と責任性をいっそう高める。 愛族愛国運動の地域的指導単位である総連地方本部は、管下の支部、団体組織と活動家が総書記だけいれば必ず勝利するという確固たる信念を持って、思想意志的、政策的な一致のもと、一心団結してたたかうようにする。 総連本部委員長は、新世紀の愛族愛国運動の土台を構築するための同胞民族圏の固守拡大と「同胞再発掘運動」に対する意欲的な構想を持って大衆的運動を引っ張っていく組織政治事業において指導性を高める。 とくに総連本部は、朝青をはじめ各級組織の新しい世代の活動家みなが総連偉業の頼もしい後継者としての政治思想的風貌と能力を立派に備え、実践で鍛錬し、安心して事業に携れるよう日常的に見守り後押しするなど責任を持つ。 同胞生活と愛国事業の基本単位である支部が地域同胞社会の総合的拠点としての活動力量を備え、自らの機能を高めずには総連事業発展の新たな転換は考えられない。 われわれは、支部委員長の責任性と役割をさらに高め、専任の活動家とともに、地域で信望が厚くて力ある同胞熱誠者と専門家、有資格者を支部役員に積極的に網羅し、支部の活動力をさらに強化する。 支部では、教育文化、生活奉仕と福祉の2大中心柱を踏まえて「同胞再発掘運動」と年間を通じて定例化されている同胞の集いもしっかり行い、民族性と同胞愛で団結した同胞社会を牽引していく支部の体貌と存在方式を絶え間なく追求し、更新していく。 総連の基層単位である分会を、活発な組織にする事業を行っていかなければならない。 われわれは分会活性化の基本の鍵となる分会長を構成し、情熱と責任性を高めることに絶えず努力し、専任の活動家が分会役職を勤める措置も取りながら、分会委員会事業を正常化、活性化するようにする。 総連分会は、女性同盟分会と力を合わせ「同胞再発掘運動」で同胞連携網を広げる活動に基本を置いて、分会管下各界各層すべての同胞の中で絆を深め、睦まじい同胞トンネを築いていく。 (3)団体の役割を高めて同胞との事業の幅を大きく広げる。 団体が階層別特性を生かし役割を高めることは、同胞民族圏を守り、愛族愛国運動の大衆的な土台を構築、拡大するための重要な要求のひとつだ。 商工団体は、変化した環境に主導的に対処して、県と地域商工会の組織体系を再整備、強化し、商工会の機能と役割を決定的に高め、商工人たちが同胞社会と在日朝鮮人運動で負っている使命と役割をさらに果たすようにする。 朝青と留学同は、活動家と役員を総動員して同胞青年学生たちとの事業を大胆に大幅に広げていく運動を活気旺盛に行い、同盟員を大幅に増やし、同胞民族圏の拡大と総連組織の固守、同胞の権利擁護のためにつねに先駆的役割を遂行する。 青商会は、新世紀の同胞社会と総連事業のために担っている位置と責任を深く刻み、組織を強化して新しい世代の商工人を網羅し、彼らの志向を実現していく創造的活動をさらに活発に繰り広げ、民族教育事業をはじめ愛族愛国運動で主役としての役割を高めていく。 女性同盟は、新しい世代をはじめとする各界各層の同胞女性に対する教養事業と組織の強化に努め、女性同盟の特性と独自性を生かして創発性を発揚し、子女教養を主に年齢別対象に合った多様な活動を力強く繰り広げ、「同胞再発掘運動」をはじめ大衆運動の先頭に立つ。 総連は女性同盟事業を積極的に後押しし、女性活動家が総連愛族愛国運動のさまざまな分野でより大きな役割を担当するよう組織的な対策を立てる。 (4)財政的土台を再構築するのは、全般的愛族愛国事業の発展のための重大な課題のひとつだ。 各級組織は、財政担当部署を責任感が強く能力ある活動家で構成し、すべての総連活動家が財政活動に対する観点をしっかりと持って、自力更生の精神を高く発揚するようにする。 総連の財政的土台を構築するうえでの基本は、広範な同胞の愛族愛国熱意に依拠して会費メンバーを増やし集金を正常化し、賛助者メンバーを拡大することだ。 総連各級組織は、商工人をはじめ広範な同胞たちに徹底的に依拠して群集的な財政土台をしっかりと築き、財政規則と節約の気風を高める。 また、財政予備を探し出して方法を駆使することによって、財政問題を自立的に解決するための強い対策を立てる。 代議員のみなさん! 本大会に提起する運動課題は、今日の難関を突破して今後3年間に必ず新世紀の在日朝鮮人運動への飛躍の土台を構築するための重大な方針だ。 在日朝鮮人運動の歴史的歩みを振り返って見ても今日、総連組織と在日同胞を取り巻く状況と総連に課された任務を見ても、何にも代えられない唯一かつ威力あるわれわれの武器は一心団結だ。 私は、代議員のみなさんが金正日総書記に対する忠誠心と勝利に対する信心を持って、激動的な環境の中で、やりがいある闘争の日々となる第22回全体大会までの愛族愛国運動を、一心団結の威力で絶え間なく繰り広げていくことを熱烈に呼びかけながら、報告を終える。 [朝鮮新報 2007.5.28] |