〈Tuttiと私 C〉 まだ見ぬトンムに伝えたい |
Tuttiは終わりません。Tuttiの物語は、まだまだ、これからも終わることなく続きます。 Tuttiは私に、ボランティアとは何なのかを教え、障がい者とは何なのかを、そして「命」とは何なのかを教えてくれました。私たち一人ひとりが持つ命は、とても小さく、か弱く、そしてその命を守るためには「思いやり」がなければならないのだと私はわかりました。そして、それはTuttiにとっても同じことなのだと…。私は、まだ見ぬ私のトンムたちに、障がい者のトンムたちに、この思いを伝えたい。 私はこの春、大学を卒業して、新たなる人生の出発をします。 いつもやんちゃで、腕白だったクァンホ。私の言うことを、ちっとも聞いてくれなかったクァンホは、本当は、私なんかより、もっとすばらしい、優しい心を持っていたね。ヌナ(姉さん)はクァンホに、本当に多くの事を教えてもらったよ…。 私は、私のこれからの人生をTuttiと共に歩んで生きたい。 まだ見ぬ私のトンムたちに、障がい者のトンムたちに、Tuttiの存在を広めたい。そして、これからも第2、第3のTuttiが、みんなの思いやりの中から新たなる産声をあげることを、心から強く、強く願う。 Tuttiは終わりません。Tuttiの中で起こる数々の物語は、全てのドラマは決して作り物や、フィクションではない、現実なのだから…。 あなたと私、障がい者と私、健常者と私。 Tuttiと私。 一人一人の小さな声が、ゆっくりと調和して、力強く、すばらしいハーモニーを奏でていく。大きな、大きなアンサンブル。Tuttiというオーケストラ。 ありがとう、Tutti。コマワヨ(ありがとう)、Tutti。(朝大生リャン・ヨンエさん=終わり) [朝鮮新報 2007.4.17] |