北南分断に想う |
サッカーU−17(17歳以下)朝鮮代表が3月20日から1カ月間、南朝鮮で現地トレーニングに励んでいる。U−17ワールドカップ(8月)に向けた調整の一環だ。朝鮮代表がトレーニングだけを目的に南の地を訪れるのは初。現地では「6.15共同宣言」の生活力がもたらしたさまざまな逸話が生まれている。 3月30日と今月2日に行われた代表親善試合(南が2勝)。北と南の選手らは激しい攻防戦の中、相手選手が倒れたら手を差し伸べ鼓舞し合った。「わが民族同士ムード」に、南の同胞らは惜しみない拍手を送った。 朝鮮代表のリ・チャンミョン団長(62)は今回、南の地で久しぶりの「再会」を果たした。「再会相手」は1966年のワールドカップ大会で8強入りしたときの背番号10、カン・ヨンウン選手のユニホーム。当時、ゴールキーパーとして活躍したリ団長は、「まちがいなく私たちが着ていたユニホーム。北側にないものを南側で見られるとは」と感激。南でのサッカー資料収集家との出会いが、この「再会」をもたらした。 この報道に触れ、先日総聯と民団支部が共催した「6.15共同宣言支持 旭都島アリラン桜まつり」での、ある言葉が蘇った。「夫婦、兄弟、親子、そして家族のように、気持ちがわかりあえる朝鮮民族、同胞同士が会話をする。今やれることを、今やっている」(総聯旭都支部の李忠男非専従副委員長、50)。 「再会」は実に喜ばしい。しかし同時に民族分断の、在日1世の無念さを想う。(東) [朝鮮新報 2007.4.10] |