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記者の資質

 見て聞いたこと、感じたことを愚直に読者に伝えること−まずは、記者に求められる本分の一つだと思う。加えて、常に「同胞の視点」を忘れまいとすればするほど、日々記者としての資質を高めていかなければならないと感じる。

 先日、現在の自分の立っている位置を確認するうえで大事な、二つの出来事があった。

 一つは、日本当局の総聯弾圧に抗議、真相を伝えようとした神奈川中北支部朝青員たちの街頭アピールだ。

 朝青の支部が単独で、街頭に出てアピール活動を行うことは、口で言うほど容易ではない。しかし、彼らはその一歩を大胆に踏み出した。「何もせずにじっとしていることなどできなかった」と。

 現場で取材をしながら、同じ朝青員として、そして記者として、同世代の活動を各地に伝え広げることが自分に与えられた「時代の要求」だと感じた。

 もう一つは、その総聯弾圧抗議行動と関連し、日本当局の目を気にするあまり、各界の支援や要請行動の詳細を自己規制ではないかと思えるほど敏感に扱おうとする雰囲気に対抗した、きちんとした意思表示をできなかったことだ。

 事実を伝えないのであれば、読者からの信頼も支持も得られない。きちんと判断して対処していくことが、今日のような日本社会の異常な状況にあって切実に求められているのだということを肝に銘じるべきだと思った。

 まっすぐ進むために、見据えるべきは同胞の笑顔であり、また祖国であることを痛感する。(丘)

[朝鮮新報 2007.3.27]