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総連西東京 同胞生活ネットワーク・中部センター主催 東京都出前講座

高齢者を狙った悪質商法の手口、対処法を解説

 消費生活のトラブルは多岐にわたる。とくに、高齢者を狙った悪質商法が急増、蔓延している。こうした現状にどう対処していくべきなのか。同胞生活ネットワーク・中部センター(総連西東京中部支部)では東京都出前講座「高齢者の消費生活トラブル〜早期発見のために〜」を主催(1日、西東京朝鮮会館講堂、写真)。高齢者と同居している人など、さまざまな立場の日本市民と総連西東京本部管下の支部相談員、地域の同胞ら31人が参加した。内閣府所管の社団法人全国消費生活相談員協会の前田洋子・常任理事(関東支部副支部長、消費生活専門相談員)を講師に迎えた。

典型例

 消費生活センターは47都道府県に532カ所ある(2007年1月23日現在)。消費生活センターに寄せられる相談で近年、目立つのが悪質商法に関した高齢者の相談。@騙されていることに気が付かないA誰にも相談できず、ひとりで抱え込んでしまう−ことに大きな原因がある。

 講座では、次のような典型的な例が紹介された。

 普段、別居している息子とあまり顔を合わせない高齢のAさんは、「草むしりをしてくれるし相談事も聞いてくれる」セールスマンに好感を抱き、すすめられるままに同種商品を多量に買ってしまった。

 その事実を知った息子が、契約書を手にセンターに相談。センターが調べたところ、きわめて悪質な商法であった。

 講座ではこのほかにも、架空請求、不当請求、点検商法、催眠商法=SF商法(「SF」=「新製品普及会」の略語)、電話勧誘販売、送りつけ商法(ネガティブ・オプション)など、ありとあらゆる悪質商法の手口がビデオ映像とあわせ細かく紹介された。

対処法

 悪質商法に引っかかってしまった場合、どうすればいいのか。講座では対処法も紹介された。それがクーリング・オフ制度だ。

 これは、訪問販売、電話勧誘販売など「不意打ち性」のある勧誘によって契約したとき、一定期間は無条件で解約できる制度のこと。契約書面受領日から8日間(消印が8日以内)が期限である(連鎖販売、内職商法は20日間)。原則として指定商品、指定権利、指定役務が対象となる。

 クーリング・オフの手続きは「配達記録郵便」葉書で証拠を残すことが大切だという。

 クーリング・オフをすると、受け取った商品は返品でき(使用済みでも可。ただし消耗品で使用、開封すると返品できない商品もある)、支払った代金を返してもらうことができる。「無条件での原状回復」とも言える同制度、商品を返品する際は業者に「着払い」で送ってもよい。しかし、通信販売に同制度は適用されない。

 クーリング・オフ期間を過ぎた場合、勧誘方法などに問題がなかったか、必要事項が明記された契約書を受け取ったか、契約内容を正しく伝えられたか、また「帰ってほしい」「帰りたい」と言ったにもかかわらず、帰らなかったり帰してくれなかったりしなかったか−などを整理しセンターに相談してみよう。

 前田さんは、悪質商法に巻き込まれないためには▼「今だけ」「ここだけ」「あなただけ」「キャンペーン中」など用語への注意▼その場で契約せずに家族や知人などに相談すること▼口約束はせず一文を書いてもらうこと▼契約を急がせる業者には注意すること▼あいまいな返事はせずにきっぱりと断ること−などがとりわけ大事であると指摘した。

 講座の最後に、中部支部の蘇汶Q委員長が発言し悪質商法トラブルの早期発見のためには、「常日頃からの声かけ、見守り活動が大切。まず、支部・センターに相談してほしい」と提起した。

 同支部では今後も生活に密着したテーマを設定し、民生委員など日本市民も含め広範な聴衆を募り、季節ごとに講座を開いていく。

 問い合わせ=同胞生活ネットワーク・中部センター(TEL 042・542・2567、FAX 042・542・5925、http://www.m-net.ne.jp/~nseikatu/)同HPは検索エンジン「Yahoo」で「同胞」と検索すると最上に表示される。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2007.3.23]