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日朝大学生が朝鮮学校パネル展 14カ所、1000人以上が訪れ理解深める

「民族教育の現状を見て」

パネル展は遠大な計画の一里塚ともなる取り組みだ

 「朝鮮学校への無理解、偏見をなくそう。多くの人々に朝鮮学校の歴史と現状をまず知ってもらおう」−。助成金をはじめとする日本政府による朝鮮学校への諸差別を是正する運動の輪を広げようと、京都の日本人大学生と留学同京都の学生らが昨年、府下の朝鮮学校を紹介するパネル展を実施した。パネル展(総51枚)は、昨年5月から12月まで同志社、京都、龍谷、立命館、京都外国語、京都造形芸術の各大学と京都会館など14カ所で計27日間開かれ、日本市民ら計1000人以上が訪れた。パネル展のほかにも朝鮮学校を紹介するドキュメンタリー映画上映、教科書展示、ミニ学習会、チョゴリ試着などの各種コーナーが設けられた。

ざっくばらんな経験談が披露されたパネル展の総括集会(昨年12月20日)

 パネル展では、日本人大学生と留学同京都の学生らが府下4校(第1、第2、第3初級、中高級)の朝鮮学校の歴史を知り現状を取材し、「過去、現在、未来」がわかるように体系的に整理して展示。民族教育に対する府民の賛同、理解を得るのに寄与した。

 昨年12月20日に行われた総括集会では、パネル展に参加した各大学生からざっくばらんな経験談が披露され、今後の活動内容などが討議された。各大学代表らの発言内容などをまとめた。

 立命館大学(京都第2初級担当)

 約100人が来場した。観覧者からの質問には朝鮮学校出身者が答えた。フリーペーパーを作成したので、朝鮮学校の現状がさらにうまく伝わったようだ。長期展示すればもっと良かったと思う。とりわけ関係改善に役立ったと自負している。

 龍谷大学(京都第1初級担当)

 70〜80人が来場した。障害者問題を取り上げた授業内容をもっと詳しく伝えるべきだった。運動会などに出入りすることも大事だ。今後、アンケート回答者の名簿を作成し連絡を取り続けていきたい。大学の実行委員のみのメーリングリストも作成したので参加者をさらに増やしたい。

 京都大学(京都中高担当)

 学長も含め300余人が来場した。展示会をアピールする当日のビラ配りは効果的だった。「初めて知った。知って良かった」という意見が多かった。日本人、在日朝鮮人が朝鮮学校の現状をあらためて回想する機会でもあった。制作に労力を費やしたがインパクトのある会場も作れた。京大新聞にも載った。

 同志社大学(京都第3初級担当)

 56人が来場した。地域密着型の祭り会場だったせいか学生よりも家族連れが多かった。「朝鮮研究入門」ゼミ生にも手伝ってもらった。準備作業は実に楽しいものだった。スタッフらが指摘する点を修正し、2007年もぜひ開催したい。

 京都造形芸術大学(担当なし)

 149人が来場した。期間が長かったため、スタッフが不足したりもした。準備期間が短く会場が殺風景だったので、途中で「会場装飾」を施した。すると次の日から来場者が一気に増えた。とりわけ見せ方が重要だと感じた。来場者は教科書展示にも強い関心を示していた。

 京都外国語大学(京都第2初級担当)

 約70人が来場した。「現状を知らせて」など、ポジティブな意見がアンケートに多く記されていた。チマ・チョゴリの試着が目的の人が多かったのは残念。しかし、少しでも多くの市民に朝鮮学校の現状を知ってもらって有意義だった。

 責任者の佐藤大さん(京都大学工学部)

 京都、滋賀10キャンパスでのパネル展示が目標だった。日朝関係が厳しい時期にもかかわらず計1000人以上の市民が来場し、約半年かけて14カ所で開催できたことは大きな成果だった。

 アンケートに「子どもたちの教育に差別を持ち込んではならない」という意見が多く寄せられていたように、朝鮮学校への嫌がらせは言語道断。今後、いろいろなアイデアを出しあい次のステップアップにつなげ、より肉厚な展示会にしていきたい。(李東浩記者)

[朝鮮新報 2007.1.22]