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「微妙なクセ?」

 地方差別をする気持ちはまるでない。けれど、どうしてもやってしまう悪い癖がある。それは、日本語の方言直しだ。

 子どもは母親の言葉になると言うがその通りで、娘たちは私が使う日本語−関東弁を使う。正しい標準語ではなく、あくまでも関東弁。

 そればかりか上の子が下の子を叱る言葉は「小さくなったオンマ」なので苦笑してしまうこともしばしば。

 最近気になることがある。娘たちの言葉が少し変化したことだ。

 保育園に通いだしてからイントネーションに違和感が生じ、単語が東北弁になってきた(詳しく言えば大船渡弁)。

 集団生活だもの。言葉に変化があって当然だろう…。でも…、やっぱり…、わかっているつもりなのだけど、娘の言葉に「異変」(?)を感じたらその場で直してもう一度言わせてしまう。

 「違うよ、そうじゃなくてこう言うんだよ」

 でも、娘の言葉は「まちがい」ではない。それはそれで味のある「言葉の文化」なのだ。

 頭ではわかっている。でも直してしまう。

 ある日気づいた。

 「日本語のイントネーションで躍起にならないで、母国語を一生懸命教えるべきじゃないか?」と。

 そう思って始めた登園道でのウリマル教室。 青空を見上げて、「ハヌル(空)」「クルム(雲)」「ヘンニム(お日さま)」。

 娘たちのウリマルを話すかわいい声…。

 でも、やはりなおらない、私の東北弁イントネーション直し…。(金秀和、ハングル講師)

[朝鮮新報 2006.9.8]