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「八仙女の初舞台」−誠実に歩めば叶う夢

 「八仙女の初舞台」と題して、女性同盟千葉県本部傘下の李槿愛さんや金貞花さんら同胞女性8人が出展する「ハングルの書道展覧会」が、11月24日〜26日まで千葉県・船橋市民ギャラリーで開かれる。

 とりわけ全員の共同制作からなる「訓民正音序文」などは数カ月もかかった大作であり、情熱と気迫が込められた作品となっている。それぞれの作品は、自作の詩であったり、歴史的な有名な作家の詩を書いたものであったり多彩である。

 しかし、驚きに値するのは、主に70〜80代の女性たちが、8年前に書芸サークルを結成して、専門家の指導のもと、1カ月に2回ずつ集まって地道に学んできたという実績である。なかには植民地時代に朝鮮から渡日して、学校にも行けなかった女性もいる。生きるために必死で、まさにその半生はこまねずみのように働き詰めの日々だったに違いない。若い頃は、民族教育を守るために力を尽くし、子どもたちを朝鮮人として育てるためにがむしゃらに働いた。そんな多忙な日々には、学ぼうと思っても、おそらく家事、育児、仕事に追われて、学ぶ暇などなかったはず。

 やっと時間ができたときには、すでに老境を迎えた女性たち。しかし、齢を重ねても、学ぶ情熱は衰えなかった。さまざまなハングルの書体に挑戦して、今回の展覧会のために新たに書き下ろした作品も多い。会場やポスター費用などに当てるためにみんなで毎月1万円ずつ貯金もしてきた。

 女性たちならではの知恵と努力の結晶であろう。誠実に歩めば、何事も叶うという証がここにある。たくさんの人に観てほしい展覧会である。(粉)

[朝鮮新報 2006.10.28]