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たくましい女性像−母親の次は姉

 先日、東京、渋谷で開かれている連続講座「絵本で学ぶ韓国の文化」を受講した。講師は韓国絵本翻訳者としても知られる東京純心女子大学・大竹聖美助教授(こども文化学科)。魅力的な未邦訳絵本を多数原書で紹介する中で、数冊のリアリズム絵本も取り上げられた。

 「お姉ちゃん」(原題《누나》/세상모든책)は、貧民街で暮らす幼い姉弟の物語。両親は共働きで日中は幼い姉が弟の面倒をみている。

 大竹さんは朝鮮の典型的な女性像について、「たくましい存在」と説明した。「ドラマや映画、絵本を見てもわかるように、隣国で母親は、自分を顧みず子どもの教育や生活ために必死に働く。母親の次にその役割を担っているのが姉。この絵本でも幼い姉が弟の面倒を見ているが、他の作品でも姉が弟を大学に送るため、食堂や工場に働きに行く話は多い」。

 一方、日本の作品では、「たくましい母親もいるが、大半は病気だったり、夫に頼りっぱなしだったり、先に死んでしまうものが多いような気がする。アニメ映画『蛍の墓』を見ても、日本では姉と弟というより、兄と妹を取り上げたものが比較的多い。『蛍の墓』では戦争で両親を亡くした兄が4歳の妹に励まされている。これは韓国人の情緒とは大きく異なるものである」。

 朝鮮では長い間儒教の影響で男を立てるのが美徳とされてきた。それゆえに朝鮮の女性たちは抑圧の歴史の中で強かさとたくましさを身につけてきたのだろうか?

 近年、朝鮮女性の活躍が目立っている。自己犠牲により他人に尽くす「女性像」ではなく、女性自身が輝くテーマをもった絵本が世に登場する日も遠くないような気がする。(潤)

[朝鮮新報 2006.6.12]