右傾化のうねり−過ち悔いる真の勇気こそ |
激しいナショナリズムのうねりが日本を覆いつくしているかのようだ。 独島、靖国問題、改憲、教育基本法改悪、共謀罪…と行き着くところまでいくのか、と見ている。 北朝鮮と戦争も辞さない、生殖能力のないババアは女じゃない、などの数々の暴言で知られる石原東京都知事、核武装を公言する元政務次官など枚挙にいとまがない。 書店には歴史修正主義者たちの本が山積みされている。「(彼らは)日本の過去を賛美する『心地よい』歴史を語る一方で、韓国、朝鮮人への蔑視とアメリカへの非難をあらわにしている」とアンドル・ゴードン・ハーバード大学ライシャワー研究所所長は批判する。 彼らの論法を「自国の偉大な点は精いっぱい強調する代わりに、過去の罪状については無視するか否定するという、砂糖にくるまれた愛国的な歴史を唱えている」と同氏は一喝する。全く同感だ。 人類の歴史をひもとくと米国の奴隷制と人種差別の歴史、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク戦争などにおける大量殺りく。また、日本は朝鮮半島やアジア全域で、フランスはインドシナで、イギリスはインドで、オランダはインドネシアでひどい侵略戦争と植民地支配を行った。彼らは口では文明を唱えながら、実際には野蛮そのものの政治を行ったのだ。 このようなおぞましい歴史に向き合う時、次の世代に何を教えるべきか。過去を美化し、誇りの教育を求めるのではなく、「まず、自国が何をやったのか」を徹底的に自らの手で追及し、真摯に反省することから始めるべきであろう。 あやまちを悔いる真の強さと正直さこそ、人間にとっても、国家にとっても価値ある生き方であろう。(粉) [朝鮮新報 2006.5.29] |