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雪解けの季節−全国の新報配達員を想う

 初級部だった頃、少年団活動の一環として朝鮮新報の配達員をしたことがある。学校から家までの帰り道、少し遠回りをして数軒の同胞家庭に新報を届けた。焼肉屋のアジュモニや電気屋のアジュモニは、暑い夏の日などは部屋に上げてくれて冷たいジュースをくれたりした。

 しかし、雨の日や荷物の多い日などは配達に行くのが億劫になり、自宅の玄関先に新報の束が積んであることもあった。そんなとき母親は、「新報は新しい情報が載ってるから新報というの。その日のうちに届けないと意味がないでしょ」と背中を押され、重い足を引きずって自転車をこいだりもした。

 それから十数年が経った頃、朝青活動家として地方の支部事務所に寝泊りをしながら再び新報の配達をしたことがあった。暑い夏の日、「気温が上がると体が辛いから…」と、早朝7時から新報の配達をする朝青支部活動家の姿に頭の下がる思いがした。

 その後朝鮮新報の記者となり、たくさんの同胞たちと接してきた。その中には80歳になるまで現役の新報配達員をしていた神奈川の李恩僖ハルモニもいる。

 編集局には、新報を楽しみに待っている同胞たちの声が多数寄せられている。中には、「支部委員長さんがいつも新報をもってきてくださるおかげで楽しく愛読させていただいております」という群馬県の高寺たまこさんの投書もあった。

 雪解けの季節、春はすぐそこまで来ている。寒さに襟を立てて新報を配達している全国の配達員の方々にとってはうれしい季節だ。現役の記者として、同胞たちに愛される新報づくりにはげみたい。(潤)

[朝鮮新報 2006.2.27]