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涙−最高の宴、ありがとう

 いや、今年の正月は楽しかったな。選手権大会での大阪朝高の快進撃のおかげで、応援で燃焼させてもらった。3回、千葉のグラウンドに足を運んだが、全国から知り合いがいっぱい来ていて、あいさつするのにあわただしかった。札幌から、福岡から、神戸から、飛行機で飛んできた人たち−。勝ったら歓喜の涙、負けても悔し涙。野洲戦のあと、朝高選手たちを見ていたら、グラウンドにひれふして、土を叩きながら号泣する姿があった。

 「3、4世になっても、この『泣き方』は変わらないね」と友人がつぶやいた。誰が教えたわけでもないが、身近な1世たちから自然に学びながら育ったに違いない、とふと思った。

 高校サッカーをかれこれ20年以上、TV観戦したり、現場で取材してきた。その魅力はこの選手たちの流す「涙」にあるような気がする。全力でぶつかり、闘い、勝敗が決する。そして流される涙の美しさ。

 昔、誰が言ったか、「男なら泣くんじゃない」という言葉。涙に男も女もないということをこの光景は、実感させる。

 大阪朝高吹奏楽部の演奏もすばらしかった。今でも耳の中に鳴り響いているのが「チョウゴー、チョウゴー」のあのフレーズや昔懐かしいメロディーの数々。試合そっちのけで、演奏に耳を傾けていた同胞が「いいものは、いいね」と破顔一笑。

 勝利につきものといえば、祝宴。わが同胞たちは、松戸や市原、千葉や東京で、一試合ごとに盛り上がって、美酒に酔っていた。正月気分とも相まって、この数年来のイライラを吹き飛ばす最高の宴となった。

 ありがとう、大阪朝高!(粉)

[朝鮮新報 2006.1.15]