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春・夏・秋・冬

 再開された6者会談、「北朝鮮の核放棄」云々だけが連日、各紙の紙面に踊っている。これでは会談の全容を読者に正確に、事実ありのままに伝えることはできない。日本のマスコミは報道管制をしているのか、世論をミスリードしていこうと歩調をそろえているのか。何しろ惑わされてはならない

▼会談そのものの目的は、昨年採択された9.19共同声明の履行にある。声明は朝鮮に対し、すべての核兵器、既存の核計画の放棄とNPTならびにIAEA保障措置への早期復帰を促したが、同時に並列して米国には朝鮮の主権尊重、攻撃せず侵略しないことの確認、朝鮮半島非核化を遵守し南朝鮮に核配備をしないことを求めた

▼また朝米、朝・日の国交正常化と、朝鮮以外の5者に対しエネルギー、貿易、投資分野で朝鮮を支援し、朝鮮の原子力平和利用の権利を尊重、適切な時期に軽水炉提供問題を協議するよう明記している。日本の報道がいかに恣意的なものであるのか、ということがわかる。さらに朝鮮は核保有国となった。共同声明採択当時と現在の状況はまったく違ってしまったのだ

▼6者会談に入る条件として、朝鮮側が提起している米国の金融制裁解除協議が先行して行われている。国交がないにも関わらず双方大使館で行われたことは画期的ですらある

▼一方、蚊帳の外に置かれているのは「拉致」問題を最優先課題と位置付けた日本である。南朝鮮は真っ先に「拉致問題協議の場ではない」と釘をさした。安倍首相は2国間協議に応じるよう求めたが、悲鳴に聞こえる。自業自得か。(彦)

[朝鮮新報 2006.12.22]