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米誌「タイム」が年末に、その年を象徴する個人を選ぶ「パーソン・オブ・ザ・イヤー」。今年は「あなた」が選ばれた。インターネットのブログや動画投稿サイトなどで情報発信力を増している個人ユーザーのことで、世界中の「個人」がインターネットを通じて情報などを自由に発信していることが背景にある。それらが世界に大きな影響を与える時代に入ったとの認識だ ▼世界が「組織」から「個人」の時代に入ったことを意味するものともとれる。確かに、インターネットを通じた個人による情報発信は、個人が楽しむだけの域を超えて、世の中に影響を与える時代に入ったといえる。それだけに発信する個人の責任が重くなっている ▼今、「ニュースをどこで一番早く知るか」と質問すれば、大概の人が携帯電話やコンピュータのサイトと答えるだろう。紙の新聞を通じてニュースを知る人は限られている。だからといって新聞は必要ないのか。決してそうではない。新聞には新聞の役目がある。それは、いくらインターネット中心の時代になっても変わらない ▼速報性では負けても、新聞にはじっくり練った解説記事がある。人物インタビューや人を紹介する欄も、新聞の特徴を出せる分野だ。写真がどう配列されているのか、この記事はどんな扱いなのかを、自分の考えと比較しながら見るのも楽しい ▼そんな新聞の特徴を、今後とも生かせる方法を模索していくことが求められる。「個人」が情報を自由に発信する時代だからこそ、新聞という「組織」の役割も増している。(聖) [朝鮮新報 2006.12.20] |