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春・夏・秋・冬

 小泉前首相が三度目の訪朝意欲を示している。6日、山崎拓自民党前副総裁との会談席上、「日朝平壌宣言が空文化している」「もう一度訪朝してでも再確認したい」と語った

▼小泉前首相は政権退陣にあたって、日朝国交正常化を遣り残した事を心残りにしていたという話が関係者の間で語られていた。最後まで三度目の訪朝の可能性を模索していたとも。二度にわたる訪朝と金正日総書記との首脳会談。普通の感覚の政治家なら日本外交の最後の懸案に手をつけただけに完結したいとは思うだろう

▼それにしても、在日朝鮮人を標的にした、朝鮮人狩りというに等しい現在の安倍政権の所業を小泉氏はどういう思いで見ているのか。事実上、自身が指名した後継者でもある

▼小泉氏は2004年5月、二度目の訪朝時に「在日朝鮮人に対して、差別などが行われないよう、友好的に対応する」ことを総書記に約束し、その内容をその直後、開催された総聯第20回全体大会に寄せた自民党総裁名義の祝賀メッセージでもあらためて確認した。その言葉と今の安倍政権の朝鮮人排斥、弾圧政策とがまったく相容れないものであることは多言を要さない

▼小泉前首相は平壌宣言の空文化についてうんぬんしているが、それは朝鮮の核実験によってではない。「対話と圧力」の、過剰な「圧力」政策がもたらしたものだ。それは「ヒト・モノ・カネ」の遮断という「交戦状態」に等しい段階にまでエスカレートしている。安倍政権の非人道的政策の誤りを正さないかぎり、小泉前首相の思いは遂げられない。(彦)

[朝鮮新報 2006.12.11]