|
「ニューライト(新保守)はオールドライトを批判し、それを克服しようと結成された団体であるはずなのに、オールドライトとどこが違うのか」。与党・開かれたウリ党の元恵栄事務総長は、ニューライト勢力が最近公開した歴史教科書の内容をこう厳しく非難した ▼ニューライト系列の団体「教科書フォーラム」が11月29日に公開した教科書の内容は、元事務総長ならずとも怒りがこみ上げてくるものだ。朴正熙元大統領による5.16軍事クーデターを「革命」とし、逆に李承晩政権を倒した4.19革命を「学生運動」と表現しているからだ。独裁と非難された維新体制や全斗煥元大統領の時代までも肯定的に評価している ▼こうした右傾化の動きに、保守の代表とも言える野党・ハンナラ党からさえも批判の声が出ている。同党の沈在哲・広報企画本部長は、「4.19を学生運動、5.16(クーデター)を革命としたのはやりすぎ」として、「もう少し慎重に対応してほしい」とさえ語っている ▼現在、最も多くの高校生が使用しているクムソン出版社の教科書は、5.16を軍事政変、維新体制を「韓国式民主主義というスローガンを掲げはしたが独裁体制」だと批判する。同教科書に貫かれているのは民主化の価値を尊重するというもの。ニューライトの教科書にはそれが欠落している ▼問題は今なぜこうした歴史観に基づく教科書が出てきたかということだ。「最近の社会の保守傾向、ハンナラ党支持度の高まりをぬって、日帝時代と軍事独裁時代を懐かしむ勢力が頭をもたげている」(元事務総長)のか。(聖) [朝鮮新報 2006.12.4] |