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春・夏・秋・冬

 最初は漫画「ベルサイユのバラ」の主人公オスカルを思い出した。女性に生まれながらも男性として育てられ、軍人としてフランス革命を見届ける人物である。フランスで、初めて現実に当選の可能性がある女性大統領候補が誕生した。セゴレーヌ・ロワイヤル元環境相(53)がその人。16日の党員投票で、最大野党、社会党の次期大統領候補者に選ばれたのだ

▼父親は軍人。超保守的な環境で育てられたという。中学時代、友人とジャンヌ・ダルクの生地、ドンレミ村を訪ねたことが小さな転機となった。女の軍人もいることをあらためて感じたからだ。来年4月の大統領選挙では、与党、民衆運動連合から出馬が予定されているサルコジ党首(内相)と争う公算が大きい。2人は現在、世論調査では伯仲しているという

▼先日も中間選挙で民主党が勝利したことから、米国に初の女性下院議長が誕生した。ナンシー・ペロシ氏(66)である。ブッシュ大統領に何かあった場合、チェイニー副大統領に次いで大統領に近い位置にある

▼そういえば、次期米大統領候補として名前が挙がっているのは、ヒラリー・クリントン上院議員やライス国務長官。政治、思想信条はさておき、「女の時代」が本格的に到来した感がある

▼米国やフランスは自由なようでいて意外と保守的だ。不思議にも、これまで女性大統領は誕生していない。そういう意味で、ロワイヤル氏にはぜひ大統領に就任して、フランスの歴史を変えてほしいものだ。その意味ではアジアの方が先進的か。韓明淑首相が良い例だろう。(聖)

[朝鮮新報 2006.11.20]