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春・夏・秋・冬

 民族右翼主義者を鮮明にし、歯に衣を着せぬ主張をしてはばからない鈴木邦男氏がオーマイニュース(11月14日)に掲載しているコラムの中で、日本の核武装を叫ぶ麻生外相や自民党の中川政調会長らの発言を取り上げて興味深い指摘をしている。「(彼らは)もしかしたら、『北朝鮮は立派だ。北朝鮮に学べ!』と内心思っているのかもしれない」と

▼氏も書いているように、日本の核武装はとてつもない破局的局面をもたらす。まずは核拡散防止条約を脱退しなければならない。侵略の過去を持つ日本だけに、その際の米国、国際社会からの非難、制裁は途方もないだろう。米国はすぐさま日本に対する濃縮ウラン供与を止め、核燃料サイクルは停止する。必然的に原子力発電はストップし、日常生活はもとより経済活動は甚大な影響を受ける。朝鮮のそれとは本質的に異なる

▼それでも核武装、核兵器開発論議を許容する安倍首相、前述の状況、国際社会での孤立は覚悟のうえのことなのだろうかと思う

▼そして鈴木氏は「強大国アメリカに対して毅然と闘い、アメリカをキリキリ舞いさせているのは共和国だけですよ」という朝鮮を知る人間の言葉を引用しながら「左右を超えて、自主自立の国・北朝鮮への憧れがあるのかもしれない」と、民族右翼の面目躍如、彼らしい結論でくくっている

▼鈴木氏のみならず、こうした類の主張は一部の週刊誌などでも展開されている。なぜ核実験に踏み切らざるをえなかったのか―そこまで追い詰めた米国など国際社会の責任、無策無為が検証されるべきだろう。(彦)

[朝鮮新報 2006.11.17]