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春・夏・秋・冬

 朝日新聞12日付に掲載された都内の朝鮮学校に通う初級部生徒の投書を読んで、久しぶりに心温まる思いだった。北の核実験後、学校に行くのも心配でこわかったが、そんな折、学校に太田さんという日本人から手紙とともにリンゴが届けられたというものだ

▼その手紙の内容が本紙15日付に紹介されている。「7月のミサイル発射に加えて、今度の『核実験実施』をめぐって連日、マスコミの行き過ぎた報道に心を痛めております」としながら、「わずかばかりで恐縮ですが、みなさんで(リンゴを)食べていただき、せめて『口の中だけでもさっぱり』していただければ幸甚です」と太田さんは手紙でつづっている。そして、「『みなのことを心配している日本人もいる』ことをお伝えください」と記している

▼この手紙の内容を読んだ子どもたちはさぞや元気づけられたことだろう。実際、朝日新聞への投書でもうれしさや驚きを率直に語っている

▼私の周囲の日本の人たちも、北でミサイル発射訓練や核実験が実施されたからといって、態度を変えたりつきあいをしなくなったりするようなことはもちろんない。実験自体を認めているわけでは決してないが、それとこれとは違うことをはっきり知っているのだ。こういうことが起きて板ばさみに合う在日同胞が一番大変だということを、そういう人たちは十分に理解してくれている

▼こういう時期だからこそ、日本の人たちとの交流を深めることがいかに大切かをしみじみ感じる。太田さんの手紙を読んで、口だけでなく心もいくぶん「さっぱり」した。(聖)

[朝鮮新報 2006.11.15]