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朝鮮の核実験後、6者会談の再開が決まり一時期の緊張感はほぐれつつある。米中間選挙での、ブッシュ共和党の過半数割れがプラスと動けば、停滞してきた対話は正常軌道に乗っていくのかもしれない。しかし、だからといって安心できないのが米国である。何しろ、大量破壊兵器製造の痕跡も見当たらなかったイラク・フセイン政権を押し潰したのだから ▼在日米軍の行動を監視している日本の市民グループは、沖縄の米軍ホワイトビーチや長崎・佐世保基地に米陸軍と海兵隊の事前集積艦が断続的に停泊を続けていると明らかにした。「米軍は朝鮮半島陸上での戦闘などに備え、急速展開を念頭において海上補給の拠点となる沖縄、佐世保で待機を続けているのではないか」(琉球新報5日付)と見ている ▼過去、1994年の朝鮮半島第一次核危機の際、那覇軍港で急速展開に備えた物資の点検を終えた事前集積艦が佐世保に向かい約1カ月待機。点検済みの物資を再度、積み込んで体制を整えたことがある。軍事作戦は一度走り出したら止まらない ▼米軍のこうした軍事行動に歩調を合わせるかのように、海上自衛隊の特殊部隊「特別警備隊」が本部のある広島・江田島で連日、朝鮮船舶の臨検に備えた極秘訓練していることが共同通信によって暴かれた ▼同部隊は周辺事態、つまり朝鮮半島有事を念頭に置いて2001年に編成され、米、英海軍特殊部隊の指導を受けてきた。周辺事態法適用について日本当局が方針を決めていない中での自衛隊の対応。やはり表の動きに惑わされてはならないようだ。(彦) [朝鮮新報 2006.11.13] |