top_rogo.gif (16396 bytes)

春・夏・秋・冬

 米中間選挙で民主党が「躍進」し、共和党が「後退」した。民主党が「勝利」し、共和党が「敗北」したという一部のとらえ方はまったく意味がない。唯一の超大国として世界に君臨していこうとする姿勢には変化がなく、違うといえば「躍進」した民主党主導の議会が共和党とは違って、今後、目を国内に向けていくだろうという点だ。つまりは国際政治に置き換えた場合、軍事力を頼りにした一刀両断方式ではなく、対話を通じた関与の方式を取るだろうという指摘だ

▼それでも対決から対話への変化ではないか、という声は出てくるだろう。ここで忘れてならないのは、民主党のそれは外からの変革ではなく内からの変革を促す手法だということだ。目標は一つだが、そこにたどり着こうとするアプローチの仕方の差違だ。いずれにしても政権が交代した訳ではないので、今すぐに変化が見えることはないだろう

▼それにしても、ブッシュ政権と一体、いやミサイル発射訓練の際の「素早い制裁」発表のように、部分的には先兵の役割を進んで担ってきた日本・安倍政権は内心穏やかではないだろう。「梯子をはずされたらどうしようか」という心配だ

▼「人道航路」の「万景峰92」号の入港を禁止、朝鮮との人の往来も遮断しようとし、さらには総聯施設に対する固定資産税減免措置撤回圧力等など、結果的に在日朝鮮人排斥を鼓舞する措置を政府主導で取った。そこには対話など入り込む余地もない

▼振り上げた刃をどう鞘に収めるのか、日本を蚊帳の外に置いた6者会談再開の行方も心配の種だろう。(明)

[朝鮮新報 2006.11.10]