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6者会談が再開されることになった。朝鮮中央通信は「朝米間の金融制裁解除問題を論議し解決するという前提の下で会談に出席すことにした」と伝えた。一方、北京で記者会見した6者会談米国代表のヒル国務次官補は「前提条件なしに再開される」と語った ▼相反する見解の表明。再開したところで6者会談そのものの進展は困難なのではないかという事をうかがわせる ▼しかし、会談再開に向けたホスト国の中国を交えた3者、そして朝米の2者協議は7時間にも及んだという。この非公式の秘密協議は6者会談の他のメンバー国、ロシア、南朝鮮、日本にどのような形で、どれほど深く伝達されていたのか大きな関心事である。とくに事前だったのか、事後だったのか ▼日本は官房長官が記者会見で「歓迎」は表明したものの、制裁は継続して強化していくという方針をあらためて口にした。制裁と対話の確認−これまた対話の再開にしては矛盾した対応だといわざるをえない。振りかざした刀をそのままにしておくこともできず、さらにはこの間「敵地攻撃論」や「核武装論」が自民党首脳や閣僚の口を突いて飛び出した。本音の発露だ。その正体を見せられてしまった世論にすれば、日本は当初から対話を望んでいなかったのでは、と思ってしまう ▼今後しばらく、制裁が効いて6者会談に復帰せざるをえなくなったとか、中国まで賛成した国連社会が一体になった圧力が功を奏したとか、手前味噌な論評がマスコミなどで相次ぐだろう。近視眼的、また日本は情勢分析を誤ることになると思う。(彦) [朝鮮新報 2006.11.2] |