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来月7日、米国で中間選挙の投票が行われる。下院は全議席、上院議席の3分の1が改選となる。毎日、平均4人の米軍兵士が死亡しているという泥沼のイラク戦争に加えて、朝米核問題。朝鮮の核実験によってブッシュ政権・共和党は大苦戦というのが大方の見立てである ▼本紙でも紹介したが、朝米直接対話による核問題解決を求める声は、民主党のみならずいまや共和党内部からも噴出している。そしてそれは、明らかに核実験以前とは様相を異にするものだ ▼たとえば重鎮のルガー上院外交委員長は、朝鮮は「長い間、直接対話による問題解決を求めてきた」が、ブッシュ政権はそれを一貫して無視、「拒否してきた」。「問題を外交的に解決するためには直接対話が不可欠」と指摘。さらには「時期は断定できないが、米国が体制を変えないという意を金正日総書記に直接、伝えるだろう」との見通しを示した ▼この発言は、ブッシュ政権に対朝鮮政策の根本的見直しを求めているという点において注目すべきものであり、同時に無為無策のライス国務長官に対する批判と取れないこともない。スベクター上院司法委員長も「交渉を含めたすべての代案を駆使すべき」とルガー委員長と歩調をそろえている。内政不干渉などを約束した朝米共同声明(93年)などへの復帰である ▼だからといって、ブッシュ政権がこうした共和党内部の提起に耳を貸すのかといえば、否定的にならざるをえない。直接対話を拒否して、朝鮮に結果的に核実験に踏み切らせたという、政策の失敗を認めることになるからだ。(彦) [朝鮮新報 2006.10.27] |