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春・夏・秋・冬

 「日本では中国が朝鮮への出入国を制限しているというニュースが流れているそうだが、瀋陽で見たかぎりそのような兆候はまったくなかった」。本紙平壌特派員が送ってきた記事の一節だ。瀋陽で行われた海外同胞の学術討論会を取材するため、片道12時間かけて列車で旅したレポートを送ってきた。特派員は駐中朝鮮大使館に勤務する参事の言葉を引用しながら、中国政府が朝中親善橋を遮断したとの噂も一蹴した

▼特派員の記事は、こちらの喧騒が嘘のようにのんびりしたものだった。核実験を受けて制裁の先頭に立つ日本に住む者にとっては、「少々のん気すぎるのではないか」と突っ込みの一つも入れたくなる。それだけ温度差があるということだ

▼核実験当日に平壌にいた人にも話を聞いたが、その日、街はいたって静かだったという。なかにはニュースを見ておらず、実験が行われたことすら知らなかった人もいたそうだ

▼こういう出来事が起きるたびに、当の朝鮮は意外と平穏だったりする。こちらの感覚としては、「みんな緊張しているのではないか」と思いがちだが、その思いを「裏切られる」ことの方が多い。今回もどうもそのようだ。世界でこれほど騒ぎ立てているのに、当の朝鮮ではどこ吹く風。わが道を行くといった具合だ

▼しかし、日本に住む同胞たちはそういうわけにはいかない。朝鮮バッシングの矛先が同胞社会に向けられることも少なくないからだ。マスコミで垂れ流される「北朝鮮報道」にも目をそむけられない。平壌の人たちのようにのん気でいられない部分がある。(聖)

[朝鮮新報 2006.10.25]